(2)できる人は一人で頑張らず、巻き込み上手

 「自分が任された仕事なんだから、一人でなんとかしなきゃ」と抱え込んでしまう人が多いですが、もっとスムーズに仕事を進めるためには、周囲を巻き込みましょう。

 例えば、あなたが部署の飲み会の幹事を任されたとします。会場の予約に料理の手配、参加者への告知、余興の内容まで、すべてを一人で考えるのは大変です。

チームでうまく役割分担しましょう (C)PIXTA
チームでうまく役割分担しましょう (C)PIXTA

 上司に予算の調整をお願いし、センスのいい後輩にビンゴの景品を用意してもらう、と周囲を巻き込み、自分は巻き込んだ人をコントロールして進捗の管理をしたほうがスムーズです。急なトラブルが起きても、あなたが対応する余力が生まれますし、一人で対処できないときは、また別の人を巻き込めばいいのです。

 昔と比べて、どの企業でも、一人で進める仕事は少なくなってきました。これからの時代、何でも一人でこなせる高い能力を持っているよりも、周囲の人々を動かすことに長けた巻き込み上手である人のほうが、活躍の場は多くなります。

(3)完璧でなく「良い加減」で、ラクして結果を出す

 実は、すべての仕事を「完璧に」こなすという必要は、ありません。

 「良い加減」、適切なチカラ加減で取り組むのが大切です。いい加減にダラダラやるのではないですよ。

 完璧にこなそうとすると、どんなことが起こるでしょうか。

 自分では完璧にこなし、100%だと思った仕事を、締め切りギリギリに報告したとします。その後、上司にダメ出しを食らってしまうと、修正するのに残業せざるを得なくなり、最悪、徹夜で終わらせる……というパターンに陥ってしまいます。

 こういった場合、50%の段階でいったん報告します。途中で上司に確認を入れることが、完成度を高めるためのダンドリになります。

 「レバレッジ」という言葉をご存じでしょうか。「小さな金額で大きな金額の取引を動かす」という意味の金融用語で、直訳すると「テコの力」です。

 テコを使うと、10人がかりで持ち上げるような大きな岩も、2~3人の力で動かすことができるようになりますね。ビジネスでも、なるべく少ない労力で大きな成果を上げるのは重要なことです。

 どんなに時間をかけて情報を集め、じっくりと作り上げた企画であっても、通るとは限りません。反対に、コンセプトやセールスポイントが明確なら、わずかな時間で作った企画が通ることもあります。

 すべてきっちりやろうと考えず、簡単に進められるところは簡単にやっておいて、後から修正をしていこう、くらいの気持ちでやりましょう。そのほうが精神的にも充実した仕事ができます。

 仕事は緩急つけて、ラクできるところは大きく手を抜いて進めるべき。こうしたメリハリが「時間がない!」を解消し、仕事の充実度、生産性を高めます。

文/吉山勇樹、マンガ/東里桐子

著者プロフィール
吉山勇樹(よしやま・ゆうき)
ハイブリッドコンサルティング代表取締役CEO。複数の企業の経営に携わる傍ら、著者としては、「残業ゼロ! 仕事が3倍速くなるダンドリ仕事術」(明日香出版社)をはじめ数々のベストセラーをリリース。仏・シャンパーニュ騎士団オフィシエ、複数のNPOの理事や音楽活動、父親としての顔を持ちながら、自らがダンドリ仕事術を実践し、人の3倍以上の生産性を上げる日々を送る。公式ツイッター:Yuuki_yoshiyama

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