怒りと上手に付き合う「アンガーマネジメント」とは?

怒りは悪い感情ではありません。ただ、上手に付き合うことが大切なのです (C)PIXTA
怒りは悪い感情ではありません。ただ、上手に付き合うことが大切なのです (C)PIXTA

 「怒り」という感情に対して、人はマイナスのイメージを抱きがち。そのため職場や家庭で「怒り」を感じたとしても、そのイライラを「抑えよう」「我慢しよう」と思う人は多いのではないでしょうか。しかし戸田さんは、「怒りは感じてもいいし、必要があれば適切な怒り方で怒ってもいい」と言います。

 「これまでの経験や教育、先入観などから、怒りは『悪い感情』というイメージがあるかもしれませんが、喜怒哀楽の『喜』や『楽』と同じように、『怒』も大切な感情のうちの一つ。人間にとって自然な感情なので、怒りを感じることは決して悪いことではありません。

 普段、私たちは、『うれしい』『楽しい』などのポジティブな感情を『良い感情』、『イライラ』『悲しい』などのネガティブな感情を『悪い感情』と判断してしまいがちですが、そもそも感情自体に『良い・悪い』はないはず。ネガティブな感情だからといって無理に抑え込んだり我慢したりすると、それが新たな怒りにつながることもあるので、まずは『怒り』を自分の感情として認めることが大切です」

「怒るなんて、みっともない」
「イライラするなんて、大人げない」
「怒ったら、嫌われる……」

 そう思って我慢しがちな「怒り」ですが、イライラをため込んでいても、どうやら根本的な解決にはならないようです。では、私たちは怒りとどう向き合えばいいのでしょうか。

 「怒りをどう扱えばいいのか、どう表現したらいいのかと悩んでいる人に取り組んでほしいのが、『怒りで後悔しないこと』という意味の『アンガーマネジメント』です。アンガーマネジメントは、怒りを消したり我慢したりすることではなく、怒りと上手に付き合うための心理トレーニング。怒る必要があるときには適切な怒り方ができるようになり、怒らなくてもいいことには、怒らないで済むようになることを目指しています」

 「怒り」と上手に付き合えるようになれば、人間関係やコミュニケーションが円滑に進み、心身共に健康な毎日が過ごせるはず。「怒り」で悩んでいる人は、この機会にぜひアンガーマネジメントに取り組んでみましょう。