食事の「順序」

野菜を最初に食べて太りにくく 【ベジタブルファースト】

野菜⇒肉や魚⇒ご飯やパン、の順に食べる方法。野菜を先に食べてから、たんぱく質をとり、最後に血糖値を上げやすい炭水化物を食べる。その結果、糖の吸収を抑え、食後の血糖値の上昇を抑える。同じ食事内容でも、順序を変えるだけで、太りにくくなる。アンチエイジングの面でも効果的な食べ方。

食べ過ぎる前に調整できる!? 【セカンドミール効果】

1食目に食べたものが、2食目の血糖値に影響すること。大麦では3食目にもその効果が及ぶことが知られている。「全粒粉、玄米も2食目の血糖値をゆるやかにする可能性がある。消化されない部分や、大腸で発酵する要素があるものが、セカンドミール効果につながる」と森田教授。朝食にセカンドミール効果のある食品をとっておくと、昼食で“やせ効果”が期待できるというわけだ。

朝の大豆菓子が昼食の血糖値を抑えた

男女8人が、朝食に大豆菓子、米菓子、何も食べないときの3パターンを試し、3時間後の昼食に共通の食事をした。1食目に大豆菓子を食べた場合、ほかのときと比べ、2食目の食後の血糖値が抑えられた。(データ:薬理と治療;36,5,2008)

この人たちに聞きました
伊賀瀬道也
伊賀瀬道也特任教授
愛媛大学医学部附属病院 老年・神経・総合 診療内科特任教授
愛媛大学医学部附属病院抗加齢・予防医療センター長。循環器専門医、老年病専門医。アンチエイジングドックを担当し、そこから導き出されたデータから循環器疾患や認知症などのリスク研究も行う。「1日のうちで多種類の食材を食べることもアドバイスしている」。

森田達也
森田達也教授
静岡大学農学部 応用生物科学科
愛媛大学農学部卒業。医学博士(岐阜大学)。食品成分と腸の相互作用について研究。日本食物繊維学会常務理事で、11月に静岡大で学会。「セカンドミール効果は、大腸内の発酵でできる成分、短鎖脂肪酸が関わっているという説が有力」。

津崎こころ
津崎こころ研究員
国立病院機構 京都医療センター 臨床研究センター 予防医学研究室
鳥取大学医学部生命科学科卒業、鳥取大学大学院医学系研究科生命科学系修了。2005年に同センター研究員を経て、2008年より流動研究員。時間栄養学をもとに栄養指導法を研究。「夕方にはエネルギー持続力の短いパンより、おにぎりがいい」。

林 直亨
林 直亨教授
東京工業大学 リベラルアーツ 研究教育院
早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程中退、医学博士(大阪大学)。大阪大学助手、カリフォルニア大学客員研究員、九州大学健康科学センター准教授を経て、2013年から東京工業大学大学院社会理工学研究科。2016年4月より現職。「胃の中に入れるものをかむことが大切なのではと考えている」。

取材・文/白澤淳子(編集部)、中野恵子

日経ヘルス2016年6月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります

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