酢の酢酸パワー
1日大さじ1杯分の酢がおすすめ
食酢をとると体内に入った酢酸は血中から組織へと取り込まれる。すると脂肪酸の酸化や糖の代謝を調節する物質、AMPKが活性化し、体脂肪の合成が抑えられ、体脂肪の蓄積の減少につながると考えられている。
毎日大さじ1杯の酢で内臓脂肪が減少
BMI(体格指数)25〜30の男女に食酢約15mlを含む飲料を1日500ml、朝晩2回に分けて12週間毎日続けて摂取してもらったところ、腹部脂肪面積が減少。内臓脂肪は平均で4.9%減少した。
酢を食事と一緒にとると食後の血糖値上昇が緩やかに
健常女性に食酢を約15ml含む飲料、または含まない飲料を100ml摂取してからご飯を食べてもらった結果、食酢をとった場合に2時間後まで血糖値は有意に低く抑えられた。
酢酸はさらにこんな効果も
高血圧、高血中脂質の低下
大さじ1杯(約15ml)の食酢をとることで高めの血圧や総コレステロール、中性脂肪が低下することがミツカンの研究で明らかに。
カルシウム吸収の促進
酢酸にカルシウムの吸収を高める作用があることが科学的に証明されている。骨ごと食べる魚や葉野菜などと一緒にとるのも◎。
エネルギーを補給し、疲労を回復
食酢と糖(グルコース)を運動後にとると、エネルギー源のグリコーゲンの再補充が促進されるという動物実験データも。疲労回復に有効。
江崎グリコ健康科学研究所 研究員
2008年グリコ栄養食品入社。天然色素の研究開発に従事し、13年から江崎グリコ健康科学研究所でパプリカキサントフィルの生理機能の研究を開始。赤パプリカ由来の健康素材「パプリックス」の開発に携わる。
取材・文/やまきひろみ 写真/鈴木正美、スタジオキャスパー(商品) スタイリング・レシピ作成/タカハシユキ
日経ヘルス2017年5月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります
記事一覧ページは⇒日経ヘルスの人気記事