朝のたんぱく質摂取がダイエット効果を高める

 効率よくダイエットするには、朝食で良質なたんぱく質をとることが大事。眠っている間に筋肉の分解が起こり、朝食でとるたんぱく質が筋肉分解を止めるスイッチとなるからだ。卵は、ただ必須アミノ酸がバランスよく含まれるだけでなく、体内利用効率(生物価:たんぱく質吸収利用率、DIAAS:消化必須アミノ酸スココア)も肉や魚と同様に高い。簡単に調理できる点でも朝食にお薦め。

卵はたんぱく質の吸収に優れている

 一般的な「アミノ酸スコア」は、9種類の必須アミノ酸が食品中にバランスよく含まれるかを数値化したものだが、「生物価」「DIAAS」は、「体内でいかに効率よく使われるか」を数値化したもの。DIAASのほうがより詳細で、国際連合食糧農業機関(FAO)が推奨するたんぱく質の評価法。(データ:Nutrients;8,8, 446,2016)

朝食に卵を食べるとダイエット効果が高まる

 BMI25~50の肥満気味の男女152人を4群に分け、朝食に卵のみ、卵付き朝食セット(トーストとゼリー)、ベーグルのみ、ベーグル付き朝食セット(クリームチーズとヨーグルト)をそれぞれ、週に5日以上、8週間食べてもらった。その結果、卵付き朝食群で、最も体重、BMI、ウエストが減っていた。(データ:Int J Obes.; 32,1545–1551,2008)

この人たちに聞きました
峯木眞知子教授
東京家政大学大学院 栄養学科
東北大学大学院農学研究科修了。共立女子大学、東京医療保健大学などを経て2010年より現職。卵の栄養や調理による構造変化が主な研究。タマゴ科学研究会理事。農学博士、管理栄養士。

西山 博
西山 博研究員
キユーピー 研究開発本部技術研究所 チームリーダー
卵や乳酸発酵卵白の機能研究に携わる。「卵の機能性研究はまだこれから。海外の疫学調査では、卵を日常的に食べている人は認知機能が下がりにくいという報告も」。

取材・文/堀田恵美 スタイリング/久保田朋子 栄養計算/内山由香(食のスタジオ) 写真/鈴木正美

日経ヘルス2017年7月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります

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