柔らか地肌で美髪に「頭皮ほぐしシャンプー」

 忙しい毎日でも取り入れやすく、「柔らか効果」も現れやすいのが「頭皮ほぐしシャンプー」。シャンプータイムを有効に使って血流アップのマッサージを。3分を目標に行おう。

 頭皮の硬さと薄毛について研究を行ったライオンヘルスケアマイスターの山岸理恵子さんは、「硬く、血流の悪い頭皮をほぐすのに有効なのは、シャンプー時の頭皮マッサージ。習慣化しやすいため、血流のよい健康な頭皮を維持できる」と話す。

 そこで「頭皮ほぐしシャンプー」を。

 「両手の指の腹を使って、頭皮をもみほぐすように洗うと血流が促進される。また、下から上へと髪の流れとは逆に洗うことで毛穴の汚れが落ちやすくなるうえ、顔のリフトアップにもつながる」(平瀬さん)。

 ただし、洗浄力の強いシャンプーで洗いすぎたり、爪を立てて強くこすったりすると、頭皮も乾燥や炎症を起こす。

 「頭皮をチェックすると、皮膚が赤く、自覚がないのに慢性的な炎症を起こしている女性が多い。乾燥や炎症も頭皮の弾力を低下させる要因の1つだ」(松熊さん)。

 さらに、頭皮を傷めないためにも重要なのがシャンプー選び。「アミノ酸系洗浄成分は、低刺激で必要な潤いを流出させずに汚れを落とす」(松熊さん)。

 シャンプー後は、毛先を中心にコンディショナーやトリートメントを。さらに「タオルドライ後、頭皮用のローションやエッセンスなどで保湿すると、頭皮の柔らかさを、より保つことができる」(イーラル インストラクターの菅野麻衣さん)。

どの髪の悩みも基本「頭皮ほぐしシャンプーテクニック」

頭皮ほぐしシャンプーテクニック
頭皮ほぐしシャンプーテクニック
(1)耳上から頭頂部へジグザグ洗い ⇒ (2)生え際から頭頂部へジグザグ洗い ⇒ (3)頭全体をらせんを描きながらほぐし洗い ⇒ (4)首すじから頭頂部をしっかりつまみ洗い

【1】耳上から頭頂部へジグザグ洗い
 頭皮を素洗いした後、泡立てたシャンプーを頭全体に広げ、耳上から頭頂部へと指の腹をジグザグに動かす。

【2】生え際から頭頂部へジグザグ洗い
 額の生え際から頭頂部へとジグザグに動かす。耳の上に置いた両親指と残りの指で頭皮をつまみながら行おう。

【3】頭全体をらせんを描きながらほぐし洗い
 頭のサイドから両手の指を髪の中に差し入れ、頭皮をほぐすように大きくらせんを描きながら洗う。

【4】首すじから頭頂部をしっかりつまみ洗い
 頭皮を大きくつまむようにマッサージしながら、首すじから後頭部を入念に洗う。血行促進効果がアップ。

この人たちに聞きました
平瀬貴文
平瀬貴文さん
ヘッドセラピスト
ヘアサロン「Aio-N GINZA」と「銀座美院」(東京・銀座)で頭皮と毛髪ケアの専門家として活躍。大手美容メーカーの商品開発などにも携わる。著書に『モコモコあわくん~あたまの洗い方~』(えほんの杜)など。

峯岸祐之
峯岸祐之医師
東京国際クリニック形成外科医
東京大学附属病院形成外科を経て、大手美容クリニックで指導医兼医療植毛部長を務める。発毛・植毛の治療に加え、日本毛髪臨床学会評議員として薄毛に対する再生医療分野の研究を行う。

松熊祥子
松熊祥子さん
ファンケル 総合研究所 副所長 兼ビューティサイエンス研究センター長
「無添加」から始まったファンケルならではの視点で、内外からのストレスにより引き起こされる肌の老化メカニズムの研究や、角層たんぱく質から肌特徴を解析する「角層バイオマーカー」の開発などを進めている。

玉村麻衣子
玉村麻衣子さん
美眉アドバイザー
国内大手化粧品会社でのメイク・エステ講師、美容ライターを経て眉のスペシャリストに。アイブロウの技術者資格「Browtist(ブロウティスト)」保有。著書に『目元で、美人の9割が決まる』(KADOKAWA)など。

山岸理恵子
山岸理恵子さん
ライオン 快適生活研究所 副主席研究員 ヘルスケアマイスター
毛髪診断士、睡眠改善インストラクターの資格も有する。身体洗浄剤、スキンケア剤の研究・開発に約20年携わってきた知識と経験を活かし、健康や美容に役立つ情報を発信。

取材・文/やまきひろみ 写真/青柳理都子 ヘア&メイク/依田陽子 モデル/村上シェリー 図版/三弓素青

日経ヘルス2017年7月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります

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