プロテインの効果的なとり方は

(1)朝食でも17~20gとる
(2)食事でとりきれないときはサプリを利用しても

筋肉合成のために必要なプロテインは、成人女性の場合1食17~20g程度が目安。これは鮭の切り身なら1切れ、卵なら2〜3個、牛乳は500mlに相当する。「肉や乳製品のカロリーが気になる場合はサプリメントをとるといい」(大谷さん)。

食品に含まれるたんぱく質量

食品のたんぱく質量、筋肉合成に関わるロイシン量を調べた。青魚や鶏胸肉、大豆製品などに多いことがわかる。筋肉合成には必須アミノ酸を一定のバランスでとる必要がある。複数の食品からプロテインをとろう。(データ:『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』より抜粋)

ロイシンを主成分とするアミノ酸で腹囲や体脂肪が減り、肌が潤う

平均42歳の女性18人に、食事量と運動量はそのままで、3種のアミノ酸(ロイシン、グルタミン、アルギニン)とビタミンの混合物2.5gを1日2回とってもらった。2カ月後には筋肉量を維持したまま腹囲や体脂肪が減少し、肌の粘弾性(ハリ)が高まった。(データ:第10回日本抗加齢医学会で大谷さんが発表)

総たんぱく質摂取量が少ない人ほど筋肉の減りが大きい

米国で70代の男女2066人を対象に3年間行った追跡調査。1日の体重当たりの総たんぱく質摂取量ごとに5グループに分類し、筋肉量を測定したところ、たんぱく質摂取量が多い人ほど体の筋肉量の減りが少なく、少ない人ほど筋肉量の減りが大きかった。(データ:Am J Clin Nutr.;87,150–155,2008)

この人たちに聞きました
藤田 聡
藤田 聡教授
立命館大学 スポーツ 健康科学部
運動や栄養摂取による骨格筋たんぱく質の代謝、加齢に伴う骨格筋量減少のしくみを研究。「筋肉をつけると代謝が高まり、運動能力の維持にも役立つ。若いうちから筋肉を育てることが大切」。

大谷 勝
大谷 勝さん
東京大学大学院前教授 明治大学大学院 農学研究科講師
“ドクター・アミノ”として、エイジングケアやパフォーマンス向上に役立つアミノ酸を研究。「疲労回復や免疫力アップのほか、ダイエットや美肌効果が期待できるアミノ酸もある」。

取材・文/渡辺満樹子 写真/PIXTA

日経ヘルス2016年9月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります

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