コラーゲンの効果的なとり方は

(1)夜、寝る前にとる
(2)1日に2.5〜5gほどとる
(3)食事かサプリでとる

ヒト試験では2.5g~で効果が実証されている。これはゼラチンなら小さじ1杯、ウナギの蒲焼なら約45gに相当する。「コラーゲンを消化する酵素の種類や分泌量には個人差があり、ペプチドを作りにくい人もいる。ペプチド化されたサプリなら吸収がスムーズ」(井上研究員)。

コラーゲンは魚や肉の皮、内臓、骨などに多く含まれる

コラーゲン含有量の多い食材のうち、入手しやすいものを調べた。牛スジ肉やウナギ、鶏の軟骨や砂肝などに多く、部位では骨や皮、筋に豊富に含まれていた。(データ:栄養学会誌;70,2,120-128,2012より抜粋)
★ゼラチンのみ、『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』と新田ゼラチンのコラーゲン係数から算出した。

コラーゲン摂取で期待できる効果

(写真:佐藤教授)
(写真:佐藤教授)

◆線維芽細胞の数を増やし、働きを高める
「真皮層でコラーゲンなどを作る線維芽細胞は、コラーゲンペプチドに刺激されて増殖するようだ」と佐藤教授。写真はマウスの皮膚細胞での線維芽細胞の増殖を見たもの。

◆褥瘡の治りをよくする
◆脂肪細胞を小さくする
◆関節の痛みを軽減する
◆骨密度を高める
◆シミを軽減する
◆血糖値上昇を抑制する


ヒト試験や動物試験で、コラーゲンをとることで褥瘡患者の患部の組織修復が促進されたという研究や、セルライトが縮小したという研究、血糖値の上昇抑制作用を確認した研究がある。また、「コラーゲンは骨の代謝を促進して、骨密度の維持を助ける」(井上研究員)。

この人に聞きました
佐藤健司
佐藤健司教授
京都大学大学院 農学研究科 応用生物科学専攻
専門は食品科学、食品機能学。コラーゲンペプチドの機能性に詳しい。「コラーゲンペプチドは創傷治癒には必須の成分。傷が治りにくい人に、効果が期待されている」。

取材・文/渡辺満樹子

日経ヘルス2016年9月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります

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