いい油は液状のオイルだけにあらず。魚やナッツなど、私たちがふだん食べている身近な食材にも、積極的にとりたい良質の油がたっぷり含まれています。ここでは、いい油を含む7つの“スーパーオイルフード”を3週にわたり紹介。その効果的なとり方を解説します。

キングオブn-3系脂肪酸のEPA・DHAが効率よくとれる 【魚】

青魚を積極的に食べよう

 体にいい良質な油「n-3系脂肪酸」の代表格であるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)。これらを豊富に含むのが青魚だ。サンマやイワシ、サバなど、脂ののった旬の魚には、EPA、DHAのどちらも多く含まれる。

 この二つの脂肪酸は、私たちの血管と神経を若々しく保つ、いわば“アンチエイジング成分”。「人は血管から老いる、といわれるが、EPAは体中に酸素や栄養を運搬する血管をしなやかにし、血栓を作りにくくする。一方、DHAは、脳や目の網膜に行き渡って神経の伝達をスムーズにし、認知症リスクを下げる」と、魚油の機能性に詳しい早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構規範科学総合研究所の矢澤一良教授は説明する。魚をよく食べるほど心筋梗塞のリスクが下がる(3ページ上グラフ)、うつ病の発症率が低下するなど、魚を食べる頻度と疾病リスクに関する研究がいくつかあるが、これも魚油の機能によるものと考えられている。

 「EPAやDHAは、体内のあちこちで生じる炎症を抑えるので、アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくなどのアレルギー症状や、関節炎の痛み改善にも有効」と矢澤教授は話す。

 アマニやエゴマの種子などに豊富に含まれるαリノレン酸もn-3系油だが、「αリノレン酸が体内に入り、最終的にEPAやDHAに変換される率は10%に満たない。EPAやDHAをとる目的なら、魚を食べるのが明らかに効率的。魚で食べればたんぱく質の補給はもちろん、小骨に含まれるカルシウムや血合いの鉄分なども併せてとれる」(矢澤教授)。

 2006年以降、国民1人当たりの魚介類と肉類の摂取量が逆転し(※)、魚離れが進んでいるが、「3日に1回ほどのペースで魚食を取り入れ、コンスタントに全身の細胞に魚油を送り届けるといい」(矢澤教授)。

(※)厚生省・厚生労働省『国民栄養調査』『国民健康・栄養調査』より