前回「ヤマイモ×おから鍋で若返りホルモンDHEAを補おう」では、ヤマイモとおから鍋の相乗効果をお伝えしました。今回は、大豆製品とおから鍋のレシピをご紹介しましょう。最近では若い人でも症状を訴える人がいる若年性更年期障害を改善する効果も期待されている大豆イソフラボン。そのほかにも、うれしい効果がありますよ!

 加齢とともに減少するのが、女性ホルモンのエストロゲン。それと体内で似た働きをするのが、大豆に含まれているフラボノイドの大豆イソフラボンだ。

 大豆イソフラボンに詳しい東京農業大学食品安全健康学科の上原万里子教授は、「大豆イソフラボンの構造は、エストロゲンと似ている。そのため、体内でエストロゲンの受容体に結合すると、エストロゲンのように作用する」と話す。

 大豆イソフラボンは、大豆100g中に約140mg含まれている。ただし、豆乳を搾った後のおからでは100g中に約10mgと減ってしまう。エストロゲンの補給源にするには、豆腐や豆乳などの大豆製品を加えて、大豆イソフラボン量を増やすといい。

 「健康だが女性ホルモンが下がり気味と感じる人は、食事から大豆イソフラボンを摂取する場合、安全な1日摂取目安量の上限である1日70〜75mgを目途にとるのがお薦め」(上原教授)。

大豆イソフラボンのうれしい効果

更年期症状を改善
大豆イソフラボンサプリメントの摂取で、更年期によく見られるホットフラッシュが軽減したと複数の臨床研究で報告されている。摂取平均量は1日に40〜80mg。

骨密度低下を抑制
大豆イソフラボン1日80mg以上の摂取で、骨密度低下を抑制するという報告が。大豆イソフラボンの腸内代謝産物である「エクオール」は1日10mg(12カ月)で骨密度低下を抑制したという。

シワを改善
大豆イソフラボンの「アグリコン」(体内で代謝された活性型)を1日40mg、3カ月摂取すると肌の弾力が増し、シワ面積が減少したという報告がある。

女性ホルモンに似た働きを持つ大豆イソフラボンを含む食材

おからに残った大豆イソフラボンは少ないため、ほかの大豆製品で補おう。最近では大豆イソフラボンの機能性表示食品として発売された大豆モヤシにも注目したい。

豆腐(木綿・絹ごし)
豆乳ににがりを加えて固めたもの。100g中に約20mgの大豆イソフラボンを含む。

油揚げ
木綿豆腐を薄く切って水切りし、揚げたもの。100g中に約40mgの大豆イソフラボンを含む。

豆乳
大豆から搾ったエキス。100ml中に約25mgの大豆イソフラボンを含む。

(データ:厚生科学研究(生活安全総合研究事業)食品中の植物エストロゲンに関する調査研究(1998)より抜粋)