カモミールの香りが交感神経を鎮め副交感神経を高める

カモミールの精油をかぐ前と後の心拍変動への影響を心電計で見ることで、交感神経と副交感神経の動きを調べた研究。上は全12回の測定の平均値。香りをかぐことで、交感神経活動が減少し、副交感神経活動が増加していた。ラベンダーでも同様の効果が見られた。(データ:雪国環境研究;16,61-70,2010)

香りによるリラックス効果は好みによって異なることも

香りは嗜好による差異が大きい。ジャスミン茶の香りで副交感神経の活動を測定したところ、香りを好む群では、副交感神経活動が香りをかいだ21分後に大きく上昇したが、あまり好まない群では変化がなかった。 (データ:Biosci Biotechol Biochem.;67, 6,1206-1214,2003)

すべてのハーブが副交感神経を高めるわけではない

交感神経を高めるハーブ

●ローズマリー
●シネオール
●レモン
●フェンネル
●エストラゴン
●イランイラン
●ペパーミント
●ゼラニウムエジプト
●レモングラス
●コリアンダー など

副交感神経を高めるハーブ

●カモミール
●ジャスミン
●ラベンダー
●セドロール
●スギ、ヒバ など

ハーブの香りはみなリラックス効果があると考えがちだが、すべてのハーブが副交感神経の活動を高めるわけではない。下の表にあるもののほか、先週紹介したグレープフルーツの香り成分リモネンにも交感神経の働きを高める作用がある。(データ:香料;245,21-32,2010、雪国環境研究;16,61-70,2010から作成)