退職した年に再就職しなければ、所得税の一部が戻る

会社員の所得税は12カ月分の給料を前提に概算され、毎月の給料から天引きされていく。通常は年末調整で精算されるが、退職して年内に再就職しなかった人は年末調整を受けられない。退職してその年の給料が減っているため、所得税を納めすぎている可能性が大。翌年に確定申告をすることで、納めすぎた分を取り戻せる。退職した翌年以降5年以内なら申告できる。




無料で職業訓練が受けられる

「公共職業訓練」は、再就職に役立つ専門的な技能や知識が習得できる公的な制度。失業給付の基本手当の受給資格者が訓練を受ける場合は、技能習得手当(日額500円×最高40日分の受講手当と、月額4万2500円までの通所手当)ももらえる。また訓練に通っている間は、失業給付の基本手当の給付期間が終わった後でも、基本手当と同額の給付を受けられる。



住まい関連でもらえるお金

住宅ローンの残高に応じて10年間税金が安くなる

住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合、確定申告すると所得税が軽減される。14年4月から17年12月までに入居した場合、年末のローン残高の1%(年間最大40万円、一般住宅の場合)の金額を10年間、その年の所得税から差し引ける。減税額が所得税額を上回るときは、翌年の住民税から13万6500円を上限に減額できる。会社員は初年度のみ確定申告が必要。

◆減税を受けるための条件◆
▪年間所得金額3000万円以下
▪床面積50㎡以上の新築住宅、または築後20年以内の中古住宅
▪住宅ローン期間が10年以上…など


例)2000万円のローンを20年間組み、毎年100万円ずつ返済する場合


(C)PIXTA
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消費税引き上げ後のマイホーム購入者に最大30万円を支給

14年4月の消費税引き上げによる住宅取得の負担を軽減するために、国が創設した制度。年収が一定以下でマイホームを購入した人には、収入に応じて10万〜30万円が支給される。住宅ローン減税と併用OK。夫婦で持ち分を共有していればそれぞれにもらえる。住宅の引き渡しから1年以内に申請する必要があるので注意。支給期間は19年10月まで延長される予定。

◆住まい給付金をもらうための条件◆
▪消費税率8%の適用後に住宅を購入
▪床面積50㎡以上
▪収入が一定以下…など

●知らないと損!
もらえるお金はまだまだある! 自治体の独自制度をチェック

国の制度のほかにも、健康増進や環境保全、地域活性化などを目的に、各自治体が独自に様々な助成金や補助金を用意している。給付を受けられる条件や金額は自治体ごとに異なるので、HPを確認するほか、電話などで問い合わせてみよう。

〜自治体の独自助成金の例〜
▪U・Iターン奨励金
▪結婚祝い金
▪婚活サポート金
▪生垣緑化助成金
▪地震対策助成金 など

※次回(2月19日公開)は、「出産・子育てでもらえるお金」をお届けします。

この人に聞きました
井戸美枝
井戸美枝さん
社会保険労務士・FP
お金の専門家として、講演や執筆活動を通して家計や年金などについて分かりやすく解説。厚生労働省社会保障審議会企業年金部会委員も務める。近著は『知ってトクする! 年金の疑問71』(集英社)

取材・文/井坂真紀子

日経WOMAN2015年3月号掲載記事を転載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。