上司を動かす!

は理屈で動く
は感情で動く
“心を揺さぶられるか”という主観的な感覚を大事にする女性に対し、理屈の通っていないことは納得できないのが男性。自分の意見を通したいときには、客観性のある言葉やデータを用いるのが有効。

NG 「なんとなく夢のある感じにしたいです」
OK 「ターゲットの女性に響く言葉を入れませんか?」



は会議が好き
はおしゃべりが好き
女性にとっておしゃべりは、仕事を円滑に進める大切なコミュニケーションだが、男性は、結論の見えない会話が大の苦手。仕事の報告の際は、いろいろなエピソードより数字のほうが心を動かせる。

NG 「この商品に対する反響には、こんな声がありました」
OK 「この商品は競合商品よりも5%シェアを伸ばして〜」

(C)PIXTA
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部下を動かす!

はギラギラしたい
はキラキラしたい
女性が仕事に求めるのは“自分がイキイキと輝くこと”だが、男性がこだわるのはチームの勝敗。大事な仕事を頼むときは、前のめりで共に戦うハングリーな姿勢をアピールすると、グッと好印象に。

NG 「これはあなたにしか頼めない仕事なの」
OK 「この仕事、絶対勝ちに行きましょう!」



は権力を与えれば喜ぶ
は安定を与えれば喜ぶ
人より優位に立つことに心地よさを感じる男性にとって、権力の象徴である“肩書き”は自分の価値を示す勲章。出世より安定を望む女性とは正反対。小さな仕事でも肩書きを付けるとやる気がアップ。

NG 「あなたはこのチームに必要なの」
OK 「このチームのリーダーをやってくれる?」



同僚を動かす!

は縦社会で生きている
は横社会で生きている
年齢や地位などの上下関係を重んじる男性の人間関係は、典型的な縦社会。相手より上か下か、自分の位置を明確にしたがる。仲のよい先輩・後輩に見えても、上下関係を曖昧にしない話し方をして。

NG 「後輩の○○さんと仲よしなんだね」
OK 「後輩の○○さんの面倒をよく見てるよね」



は社会から認められたい
は身近な人から認められたい
夫や恋人、同僚や友人など、身近な人たちから認められたいのが女性。男性の場合、不特定多数の人から尊敬されたい思いが強い。特に権威ある相手からの賞賛は、気持ちをくすぐる魔法の言葉。

NG 「活躍してていいな、 羨ましい」
OK 「部長がすごいって褒めてたよ」



は結果を重視する
は過程を重視する
男性と女性とでは、仕事において重要視する部分が異なる。“みんなで頑張った”など、プロセスを共感したい女性に対し、男性は勝敗を重視。“数字+事実”を会話に織り込み、具体的に褒めること。

NG 「準備は大変だったけど、楽しかったね」
OK 「3億円の契約取れるなんて部署で初だよ。すごい!」



は同い年の男が苦手
は自分より若い女が苦手
縦社会で生きる男性は、明確な序列がないところで比較されるのが苦手。同期の男性との上下関係を意識させる発言は、反発を招きやすい。一方、女性は若さという武器を持つ年下女性が苦手な傾向に。

NG 「同期で今は誰が出世頭なの?」
OK 「同期の仲間は大事だよね」


この人に聞きました
五百田 達成
五百田 達成(いおた たつなり)さん
作家・心理カウンセラー
東京大学卒業後、出版社、広告会社を経て独立。「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」「ことばと伝え方」をテーマに執筆・講演。30万部を超える「察しない男 説明しない女」シリーズほか、著書多数。「スッキリ」(日本テレビ)レギュラーコメンテーター。
オフィシャルサイト:http://www.iotatatsunari.com/

取材・文/西尾英子

日経WOMAN2015年4月号掲載記事を転載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。
※かるたの内容は『察しない男 説明しない女』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を参考に作成