スピーチ編

3)伝えたいことを大きな字にして話す

<Before>
抑揚がない

「理解」には2種類あります。頭で分かること、心で分かることです。頭で分かるとは、相手の話す内容を理解すること。心で分かるとは、相手がどんな気持ちなのか、感情を理解することです。私たちは話をするとき、この両方の理解を相手に求めます。

内容は分からないけど感動したとか、頭では分かったけど 感情の部分で腑に落ちないと言われたらあまり嬉しくありません。ですから、相手を主役にするためには、頭と心の両方で分かったことを相手に伝えます。

<After>
大事な部分を大きな活字で強調

「理解」には2種類あります。で分かること、で分かることです。頭で分かるとは、相手の話す内容を理解すること。心で分かるとは、相手がどんな気持ちなのか、感情を理解することです。私たちは話をするとき、この両方の理解を相手に求めます。

内容は分からないけど感動したとか、頭では分かったけど感情の部分で腑に落ちないと言われたらあまり嬉しくありません。ですから、相手を主役にするためには、頭と心の両方で分かったことを相手に伝えます。

<ポイント!>
下書きを作るときに文字の大小をつける
打ち合わせや会議で「この部分を強調して話そう」と考えていても、イメージ通りに話すのは難しい。強調したい部分を大きな字にして原稿にし、それを頭に焼きつけて話そう。大きな文字の部分では自然に大きな声が出る。

※スピーチの内容は『話すより10倍ラク! 聞く会話術』(西任暁子著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)より引用



4)セリフを入れて情景が浮かぶように話す

<Before>
抽象的で、情景が浮かばない

この部署で私は本当に多くのことを学ばせていただきました。至らない点も多かったことと思いますが、皆さんが粘り強く指導してくださったおかげで、少しずつ成長することができました。皆さんとのご縁に感謝するとともに、この部署で学んだことを新しい部署でも存分に生かしてまいりたいと思います。

<After>
セリフ入りで、情景が浮かぶように

3年前に突然この部署に配属されたときは「事務しかやったことのない私がいきなり営業…?」と、正直、不安でいっぱいでした。でも、半年ほどあったある日、残業をしているとA部長が言ってくださったんです。「おまえの丁寧な提案がX社の田中課長に響いて、うちに決めてくれたらしいぞ」営業の仕事に自信を持つことができたのは、あのときの部長の言葉がきっかけでした。A部長、本当にありがとうございました。

A部長だけではありません。Bさん、Cさん(Aさん、Bさん、Cさんを見ながら言う)、そして部署の皆さんがいつも私を励ましてくださったおかげで、私は一歩ずつ歩みを進めることができました。皆さん、本当にありがとうございました。新しい部署に行っても、どうぞご指導ください。「○○は頑張ってるな」皆様にそう思っていただけるよう、これからも頑張ります。

<ポイント!>
登場人物の声が聞こえてくるように話す
抽象的な話ではイメージが湧かないので、相手に響かず、心を動かすこともできない。具体的な話にするには、誰かが言った言葉を入れるのがコツ。自然とエピソードを交えた話になるので、聞く人の心をつかみやすい。


この人に聞きました
西任暁子
西任暁子さん
スピーチコンサルタント
慶應義塾大学在学中にラジオDJとしてデビュー。現在はU.B.U.株式会社代表としてプレゼンやスピーチ、コミュニケーションスキルを中心にビジネスリーダーの人材育成を行う。著書に『「ひらがな」で話す技術』(サンマーク出版)『話すより10倍ラク! 聞く会話術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『本音に気づく会話術』(ポプラ社・4月発売予定)

取材・文/加納美紀 写真/古立康三

日経WOMAN2015年4月号掲載記事を転載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。