手取り月収24万円
事務(総合職採用)

*手取り月収は差引支給額に貯形貯蓄、個人加入の保険料などを加えた金額とした。年収は昨年のもの

◆S・Nさん(30歳・サービス・事務・兵庫県)
・税込年収:500万円
・月の平均残業時間:30時間
・収入満足度:30点
・仕事満足度:60点
・大学の法学部を卒業後、弁護士事務所で勤務。案件減で不安になり転職。

新卒時代より年収ダウン…人事考査の面談もありません
新卒時代より年収ダウン…人事考査の面談もありません

 「30歳の今のお給料は、新卒の頃より少ないんです」と嘆くのは兵庫県在住のS・Nさん。

 大学卒業後、社員7人の法律事務所に入社。仕事は弁護士の補助業務だった。3年後に、現在勤務する社員40人の公益法人に総合職として転職。調停書類の作成から、司法修習生の研修手配まで事務全般を担当する。「以前の仕事よりやりがいはありますが、給料には不満です」。

 前の会社では税込年収600万円だったが、今は500万円。転職して5年目だが、年収はずっと横ばい。人事考課の面談もない。「仕事で結果を出しても給料に反映されない。役職に就くまでは年収も上がらない」。ワーキングマザーが多く、働きやすい職場ではあるが、「『頑張れば収入が上がる』というビジョンを描けないのが辛いんです」。

◆専門家の診断&お給料アップアドバイス
働きやすさ重視かお給料アップか、見極めよう

「30歳事務職で年収500万円は、同年代の国家公務員とほぼ同水準。決して悪くない金額です。現状のままワークライフバランスを保っていたいのか、それとも給料を上げたいのか、どちらを優先するか考えてください。お給料優先なら、別の法律事務所へ転職するのも手です」(木下さん)。「有給の残日数が明細に掲載されているのは分かりやすいですね」(河内さん)。

この人たちに聞きました
木下 学
木下 学さん
DODA編集長
新卒で人材サービス会社インテリジェンスに入社。事務派遣領域の法人営業、人事部を経て現職。雇用の専門家として、求人動向などさまざまな情報に精通する。

河内よしい
河内よしいさん
特定社会保険労務士・FP
企業の人事・総務、役員秘書を経験後、01年に河内社会保険労務士事務所を設立、所長に就任。著書に『40歳から考えるセカンドライフマニュアル』(共著、労働新聞社)などがある。

取材・文/田中祥子、岡本藍

日経WOMAN2015年8月号掲載記事を転載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。