諦めてもいいのは「オートロック」「築年数」「ガスコンロ」

 次に、諦めてもいいポイントをランキング形式で見てみましょう。

Q. あなたが物件を選ぶときに、諦めてもいいポイントは何ですか? 5つまで選んでお答えください。
1位 オートロック 37.5%
2位 築年数 37.2%
3位 ガスコンロ 27.2%
4位 駅からの距離 22.3%
5位 部屋の広さ 19.4%
6位 収納スペース 17.2%
2階以上 17.2%
フローリング 17.2%
9位 間取り 15.2%
10位 日当たり 13.6%
11位 通勤時間 8.4%
12位 周辺の施設&環境 7.4%
13位 バス・トイレ別 6.8%
14位 防音性 6.1%
15位 室内洗濯機置き場 5.5%
16位 家賃 3.2%
17位 水回りの設備 1.9%

 なぜその条件を諦めていいのか聞いてみました。

家ではワイヤレスイヤホンで音楽を聴いているため、防音は気にならない。部屋の広さも、広過ぎるとかえって掃除が大変なため、適度に狭いほうが性に合っています(23歳、マスコミ、専門職)

石川県ではオートロックがそもそも少なく、諦めることがほとんど普通。フローリングについてはじゅうたんを敷いてしまえば畳でも問題ないし、何とでもなるから(27歳、情報通信・IT、営業事務)

築年数が古くてもリニューアルしていれば問題ない。逆に築浅物件でも木造や鉄骨造などだと構造的に……と思ってしまう(28歳、サービス、企画)

移動可能のIHコンロを購入しているので、コンロは見ていない。バス・トイレ別がいいが、家賃や距離やほかを気にしたら諦めざるを得ない(33歳、製造、研究開発)

オートロックはタイミングによっては誰でも入れるので価値を感じていない。収納や部屋の広さはその大きさに合わせて暮らせばいい(33歳、不動産、営業)

環境がいい場所は人気があり、高いです。だから今まで持っていた「3階以上」の条件を妥協し、初めて1階に暮らしました。それが思ったより良かったのです。1階が女性に危ない、という先入観は、下町や一般的な街には当てはまるかもしれません。しかし、由緒ある高級住宅街にあるマンションの1階では、不安を感じることが全然ありません。逆に木々や花々と触れられて、まるで一戸建てに住んでいる気分です。価値観が覆されました(43歳、コンサル、顧問)

 諦めるポイントと重視するポイントのランキングを比較すると、どちらもトップ10に入っている条件がありました。例えば、「駅からの距離」は重視で3位・諦めで4位に入っています。ほかにも「間取り」は重視4位・諦め9位、「2階以上」は重視5位・諦め6位、「部屋の広さ」は重視7位・諦め5位、「築年数」は重視8位・諦め2位、「日当たり」はどちらも10位でした。つまり、これらの条件は人によって重視する度合いが大きく異なるということが明らかとなりました。

こだわるのは、やはり「バス・トイレ別」「通勤時間」

 今度は、物件を選ぶときの28条件を並べて、それぞれ「こだわる」か「気にしない」かの2択で選んでもらいました。

 その結果、「こだわる」の割合が高かったトップ5を発表します。

1位 バス・トイレ別 78.0%
2位 通勤時間 75.1%
室内洗濯機置き場 75.1%
4位 最寄駅までの距離 68.6%
5位 2階以上 66.7%

 反対に「気にしない」の割合が高かったトップ5は次の通りでした。

1位 ロフト付き 83.8%
2位 女性限定 83.5%
3位 楽器相談可 80.6%
4位 管理人有り 77.7%
5位 ペット相談可 75.7%

 こだわる割合が高い条件は、やはり重視するポイントでもトップ10に入っている項目でした。

 次回は、「住まいの満足度」と「仕事の充実度」は比例するかどうか、じっくり探ってみます。

物件探しの条件で迷ったら、参考にしてみて下さいね  (C) PIXTA
物件探しの条件で迷ったら、参考にしてみて下さいね  (C) PIXTA

文/佐々木恵美 写真/PIXTA