仕事の関係で、社会人になってから12回引っ越しを経験

<プロフィール>
A・Kさん(38歳)
教育・学習支援/専門職(教師など教育関連)
手取り月収:35万円
家賃:6.5万円
間取り:5DK
引っ越し回数:12回

――これまで12回の引っ越しをされたということですが、どのような住まいを経験されてきましたか?

 「就職後、最初に引っ越したのは都内のレトロなマンションの1Kです。そこで下町の雰囲気が気に入り、近隣の2DKに転居しました。転職で秋田に行き、仕事の関係者とシェアハウス。続いて、青森にある美術館のレジデンス施設で管理役として暮らしました。その後も、仕事で千葉県や鳥取県、埼玉県へ転居しており、ゲストハウスや一軒家にも住んでいます」

――遠方への転職が多いですよね。長距離での引っ越しで工夫されている点はありますか?

 「秋田や青森での仕事は、職場から住まいが提供されたり、住まいの管理も含めた仕事になっていたため、東京の家は借りたままにして荷物を置いておき、妹に家賃を折半して住んでもらっていました。鳥取に引っ越した時には、引っ越し代を節約するために荷物の3分の1を実家に移し、運ぶのは単身パックのコンテナ二つ分にしました」

自分の暮らしが仕事に生かせる

――デザイナーズ系の物件やシェアハウス、一軒家など、いろいろな住まいに暮らされていますが、その理由は?

 「いろいろな街に住みたい、その土地を知りたいという興味から、あえて知らない土地での仕事を選んできました。大学で都市計画を専攻していて暮らし方に興味があるため、自分が暮らすのは実験のような気分でもあります。私が働いている業界では、1~2年での転職が当たり前なので、そのたびに引っ越している状態です。

 仕事が生活に占める割合は大きいです。地域における新しい生活について考えるのも仕事の一部なので、自分の生活でも実践することを意識しています。住んでみて分かる、その土地の暮らしの導線や便利さ・不便さなどは仕事に生かせていますね」

――今まで暮らした中で、よかったのはどんな住まいですか?

 「すぐ裏に歴史的な建物があり、屋上に上がると借景を楽しめたマンションや、レトロな雰囲気のマンションはよかったです。家族経営の古いマンションに住んだ時には、アットホームな雰囲気でサービスが丁寧でした。いつでもゴミを捨てられたり、掃除をしていてくれたり……。突然、『見合いしないか?』と管理人さんに声を掛けられたこともあります(笑)」

自分のオリジナルな評価で家を探す

――いろいろな暮らしを経験されたからこそ分かることもあるかと思います。住まいを探す際に、工夫していることやアドバイスがあれば教えてください。

 「まずは、ひたすらネット検索をします。そして、地域密着型の不動産屋に行って、話をしながら探してみます。意外なお得ルートがあるかもしれないからです。自転車通勤を検討することもありますね。公共交通機関ではやや不便なところでも、自転車を使えば家賃を抑えられるかもしれません。一般的な利便性よりも、自分のオリジナルな評価で家を探すように意識しています。

 仕事に合わせた引っ越しなら、ゴミ捨て場が近い、洗濯機置場が室内にあるところだといいと思います。私の場合は、湿気がたまるのが嫌なので、風通しを重視しています。水回りの掃除のしやすさもポイントです」

お部屋探しの参考にしてみて下さいね (C) PIXTA
お部屋探しの参考にしてみて下さいね (C) PIXTA

文/飯田樹 写真/PIXTA