情報公開度が高まっている今、「とっておき物件」は過去のこと

 そしてもう一つ気になるのが、「不動産会社に足を運ばないと見られない」といわれている、「とっておき物件」の存在。ひそかに語り継がれているこの噂ですが、実際、ネット上には存在しない「とっておき物件」はあるのでしょうか。

 「近年はあまり見られなくなりました。というのも、今はポータルサイトで集客をしなければ、お客様に見つけてもらえない時代。ポータルサイトで検索をしてから訪問する不動産会社を決める方が多いので、自社のホームページだけに物件を載せたり、ネットに掲載せず隠し玉として持っていたりしても、集客や契約にはほとんど結び付かないからです」(池本さん)

 試しに「東京 賃貸」と検索をかけてみると、上位にくるのはすべてポータルサイト。マガジンビジネス推進部・グループマネージャーの笠松美香さんも、「今はどの不動産会社も、ポータルサイトに載せる写真や情報を、いかに充実させるかに力を入れています」と言います。

 「とっておき物件が存在していた頃よりも、データ入稿などの作業面も効率化されているので、他の会社よりも早く正確に多くの情報を掲載して、より多くの集客につなげたいという気持ちがあるのだと思います」(笠松さん)

 「SUUMOでは、同じ物件を扱う不動産会社が複数ある場合は、ユーザーのために写真や動画をたくさん掲載している会社を、その物件の『取り扱い店舗』(代表店舗)としています。『取り扱い店舗』となった会社は、ユーザーからの問い合わせがいきやすい状態になっているので、結果として、どんどん情報公開度は高まっています。ですから、昔はあった『とっておき物件』も、今はもう存在していないでしょう。この数年で、状況は大きく変化しています」(池本さん)

 より多くの正確な情報がポータルサイト上に集まれば、部屋探しの効率もアップします。これからもユーザーにとって好ましい状況に、どんどん変化していってほしいですね。

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