契約時に確認しておきたいポイントをおさらい

 退去時の清算以外にも、契約時に確認しておくべきポイントは3つほどあります。1つ目は、契約を更新する際に必要な「更新料」。通常、2年ごとに契約更新という物件が多いのですが、このときに更新料がいくらかかるのかは、契約時に把握しておくことが大切です。更新料とは別に「更新事務手数料」がかかる場合もあるので、契約書をよく確認しておきましょう。

 2つ目は、退去するときの連絡時期。1カ月前までなのか、それとも2カ月までに通知が必要なのか。タイミングを逃せば、家賃の支払いにも影響が出てくるので、これも事前に確認しておいたほうがいいポイントです。

 そして3つ目は、入居中のトラブルに関する連絡先。

 「設備の故障などがあった場合に、連絡先が分からなければ、途方に暮れてしまいます。物件を紹介してくれた不動産会社に連絡をしても、管理は別会社が行っている場合が多いので、どこに連絡をすれば、どんな対応が受けられるのか。アフターフォローの内容はしっかりと把握しておき、スマホに電話番号を登録しておくのがオススメです」

契約時にチェックするポイント

・退去時に支払う可能性のあるお金(クリーニング代や汚れ・傷に関する契約内容をチェック)

・契約期間と更新料

・退去する際の連絡時期

・入居中のトラブルに関する連絡先

 入居中のトラブルは、設備などの故障だけではありません。なかには住民のマナーに関する悩みを抱える人も多いんだとか。では、入居後に最も起きやすい住民トラブルには、どんなものがあるのでしょうか。

もしも騒音に悩んだら…管理会社への伝え方にはコツがあります

 谷さんによると、最も多いのは「騒音」に関するトラブルなんだそう。そのため、「音」が気になるという自覚のある人は、部屋を探す段階で、過去にその物件で騒音トラブルがなかったかどうかを聞いておきましょう。それ以外では、「角部屋」を選んだり、「間取り図」(両隣の間取りが分かるもの)をチェックしたりすることでも、音の問題をクリアできる可能性があるそうです。

 「隣室との境界壁側に収納や水回りなどがあると、音が伝わりづらく、騒音に悩まされる可能性が低くなります。反対に、隣同士が薄い壁一枚を隔てて並んでいる場合は、比較的音が伝わりやすいため、注意が必要といえるでしょう。間取り図は、不動産会社に相談すれば見せてくれると思うので、音に敏感な人は一度調べてみることをオススメします」

 このように、まずは契約前に、音のトラブルが起こりにくい環境かを調べることは大切です。しかし、賃貸物件は入居者の入れ替わりが激しく、今は大丈夫でも、これから先もずっと静かだとは限りません。万が一騒音に悩まされた場合には、どう対処すればいいのでしょうか。

 「騒音で困ったときには、『いつ・何時ごろ』『どんな音が』『どの方向から』『どんな頻度で』聞こえてくるのかをしっかりと記録して、それを管理会社に伝えてください。例えば、『毎週土日の深夜2時頃、右隣の部屋から、大音量の音楽や大勢の笑い声、しゃべり声、叫び声が聞こえる』など。『何となくうるさい』では、管理会社としても具体的な対処ができないため、細かい情報を伝えることが重要です。音の種類によっては録音できることもあるので、動画や音声データで提出するのも賢い方法ですね」

 うるさいからといって、自ら騒音元に注意をしに行くのはNG。トラブルを悪化させてしまう可能性があるので、壁を叩いたり、天井をつついたりすることも止めておきましょう。

 その他にも、何か困ったことがあったら、まずは管理会社に連絡を。詳細を伝えて冷静に対処すれば、きっとその道のプロたちが適切に対処してくれるはずです。

気になることは、不動産会社や管理会社に確認を。しっかり教えてくれるはずです (C)PIXTA

文/青野梢 写真/PIXTA

この人に聞きました
谷尚子
谷 尚子(たに・なおこ)さん
ハウスメイトパートナーズ。2000年にハウスメイトグループに中途入社。仲介営業、仲介店長を経て、同社女性初の管理の現場担当となり、2011年より現職。金融機関・業界団体・大家さんの会等での講演多数。