反対に、私は自分の弱い部分も隠しません。正直に話して、『これ以上は限界です』ということも伝えます。自分の限界値は、言わなければ伝わらない。自分にしか分からないことなので、自己完結しないことが大切だと思っています。

 お客様に対しても同じで、ブランクがあることや時短勤務であることは説明し、その上で精一杯頑張ると伝えています。そして私がいないときには社内の者が対応すると伝え、それでも不安に思われるお客様には、上司の名刺も一緒にお渡ししています。上司も『この対応でいい』と言ってくれていて、こうした社内の理解や対応があるからこそ、自分の軸を守りながら働けているのです」

「締め切りやお客様との約束は必ず守ります。基本的なことですが、これを破ると信用をなくしてしまいます」
「締め切りやお客様との約束は必ず守ります。基本的なことですが、これを破ると信用をなくしてしまいます」

――時間内に最大限のパフォーマンスを発揮して働き、弱さや限界も素直に伝えることで、職場でも良い関係性が築けているんですね。では今後は、どのようなキャリアを築いていきたいですか?

 「私の母も、子どもを最優先にしながら第一線で働き続けたワーキングマザーでした。かつての私が、母の姿から働く意欲を学んだように、私も子どもに働く姿を見せることで、何かプラスの影響を残せたらいいなと思います。実は、母は今も週に1回手伝いに来てくれて、私が働くことを誰よりも応援してくれています。働く女性として、母として、とても尊敬しています。今の私はまだ、目の前の仕事に一生懸命に取り組むことが第一だと考えていますが、子どもの自立とともに、自分のキャリアもこれから成長させていければすてきですね」

【峰田さんが営業を通して身に付けたスキル】
1位:人間関係構築力
2位:状況・ニーズ把握力
3位:スケジュール管理能力
4位:クロージング力
5位:断る力
「両立しながら働くためには、状況を瞬時に見極めて優先順位を立て、周囲の助けを借りながら前倒しで進めることが必須です。また、限られた時間内で結果を出すために身に付いた『決断力』や『割り切り力』は『クロージング力』や『断る力』にもつながっていると思います」
【これから身に付けたいスキル】
1位:問題解決能力
2位:企画提案力
3位:リサーチ・マーケティング力
4位:リスク管理力
5位:工夫・改善能力
「今は目の前の仕事に精一杯取り組んでいますが、経験を生かしながら、新しいプロジェクトや自ら提案できるような仕事に挑戦したいと思っています」

文/青野梢 写真/品田裕美