「地道にコツコツ積み上げる」タイプの営業です

――営業先では、どのようなアプローチを行っているのでしょうか。

 「販売店のスタッフの方には、どのようにしてお客様に製品を紹介すればいいのかをご案内したり、店内ディスプレーの提案をしたりしています。一方、眼科の先生には、最新の学術データや臨床試験の結果などをお伝えしながら、アキュビューを使うことで、患者様にどのような医学的メリットがあるのかなどをお話ししています。

 どちらの場合も、ただ『この製品をお客様にオススメしてください』というスタンスでは、一方的な営業になってしまいます。そのため、相手の知らない知識や、コンタクトレンズを使うお客様の役に立つような情報を提供することを心掛けていますね。

 また、営業先のスタッフの方々とのコミュニケーションも大切です。人柄を知ることで訪問する楽しみも生まれますし、雑談やプライベートな話の中から、新たなアプローチ法が見つかることもあります。

 私は、一度に大量の受注を獲得して成績を上げるタイプではありません。地道にコツコツと売り上げを重ねていくタイプです。ですから、私の顔を見たら、『あ、アキュビューだ!』と、製品を思い出してもらえるような存在になりたいと思っています。そうすることで少しずつ製品のよさをお伝えしていき、ジワジワと広めていきたいですね」

悪天候のときこそ、営業のタイミング。お店や眼科にお客様が少ないので、ゆっくりと話ができる。「『地道にコツコツ積み上げていく』のが私の営業スタイルです」
悪天候のときこそ、営業のタイミング。お店や眼科にお客様が少ないので、ゆっくりと話ができる。「『地道にコツコツ積み上げていく』のが私の営業スタイルです」

相手からどう見えるかを考え、「細かい配慮」を大事にする

――その他には、営業をするときにどのような工夫をされていますか?

 「この眼科にはこの製品、この販売店にはあの製品……という形で、重点的に紹介する製品を決めて営業活動を行っています。もちろん、紹介する製品はやみくもに決めているわけではなく、スタッフの方から聞いた話や、それぞれの店舗の立地や環境などをふまえて決定しています。

 例えば、営業先がビジネス街にある場合には目が乾きづらいコンタクトを、40代以降のお客様が多い店舗には遠近両用のコンタクトを……というように、ご購入いただくお客様を想定して、重点的に紹介する製品を選んでいます。その他にも、花粉症の時期にはワンデータイプを使用する方が多くなったりするので、季節によっても案内する製品は変えていますね。

 エンドユーザーの方を想定して営業をしないと、眼科や販売店の方々も、どうやってお客様に案内をしていいのか分からなくなります。ですから、自分の目で周囲の環境や店舗の様子を見て、確かめることは重要です。

 眼科や店舗に行くときは、必ずパンフレットの棚をチェックします。少なくなっているものはすぐ補充して、きちんと見えるようにそろえます。地味ですが、こういう一つ一つの作業を大事にすることが営業にとって大事なことだと感じています。

パンフレットや資料、商品、そして外で作業するためのパソコンが詰まった筧さんのバッグ。重さはなんと約7kg! 「床に置いて話をすることが多いので、バッグは自立するものを選んでいます」
パンフレットや資料、商品、そして外で作業するためのパソコンが詰まった筧さんのバッグ。重さはなんと約7kg! 「床に置いて話をすることが多いので、バッグは自立するものを選んでいます」

 また、病院の待合室は静かで、中にはご病気の方もいらっしゃいます。その中で、自分の靴がコツコツと音をたてるのは避けたいので、音が鳴らないパンプスを履いています。試着のときは必ず歩いてかかとの音をチェックしますね。自宅には音が鳴らない歩きやすいパンプスが大体5~6足あり、ローテーションで履き回しています」

取材当日に筧さんが履いていたのはスエードの黒パンプス。スポーツブランドのカジュアルシューズラインのもの。底面はゴム素材でヒールのクッション性もあり、確かに音が気にならなかった!
取材当日に筧さんが履いていたのはスエードの黒パンプス。スポーツブランドのカジュアルシューズラインのもの。底面はゴム素材でヒールのクッション性もあり、確かに音が気にならなかった!