相談しやすい人柄を前面に出し、便宜を図った時がチャンス!

――「部内の予算が厳しい中、大口の取引先と交渉して300万円の注文を獲得した」こともあるそうですね。このような結果を出すために、普段から心掛けていることはありますか?

 「お客様から無理な注文が入ったときでも、すぐには突っぱねず、一度受け止めてから返答するようにしています。そして無理難題を受け入れたときには、すかさず協力してもらいたいことを持ち込むか、再プッシュ。『便宜を図った時がチャンス』と考え、こちらの要望も通るように交渉しています。

便宜を図った時がチャンス! なんです 画像はイメージ (C)PIXTA
便宜を図った時がチャンス! なんです 画像はイメージ (C)PIXTA

 また、お客様からの要求をすぐに社内調整に回すようなことはせず、自分のところで見直せる部分がないかも検討。その上で、社内に一番負担のかからない手段を相談したり、提案したりしています。

 こちらにとっては無理難題であっても、お客様がいなければ売り上げは上がらず、工場の方がいないと、製品は出来上がりません。そう考えると、営業は助けてもらってばかりの仕事とも言えるので、ギブ&テイクの関係性を受け止めてもらえるように、社内外を問わず、日ごろからフレンドリーな振る舞いを心掛けています。スイッチを切り替え、『相談しやすい人柄』になりきって仕事をしている感じです」

――2年間仕事をされてみて実感した、営業のいいところや困っているところを教えてください。

 「関わる人が多く、いろいろな人の意見を聞くので、体よりも頭が疲れますね。会社の顔なので常に勉強が必要で、それがマストとなると、たまにツライと感じることもあります。

 でも、自分が『こうしたらもっとよくなる』と考えたことを、実際に着手できるところはいいですね。会社を動かしていることを実感できるし、毎日やることが違うので、飽きることもありません。

 あと、営業はお給料もいい。私は前職では年収350万円でしたが、転職して年収が400万円にアップしました。出張のときには、日当が多めに出るのもうれしいです」

――では、今後はどういうキャリアを築いていきたいと思っていますか?

 「営業は、体力というよりも精神的なタフさが必要な仕事だと思うので、正直なところずっと続けるかは分かりません。でも、英語もできて相手の心に働きかける交渉ができれば、AIに取って代わられることはないと思います。だから、やりたいことができたら迷わずチャレンジしたいです。国内外問わず!」

【MY営業パンプス】
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文/青野梢 写真/PIXTA