いつまでも輝いていたい! シルバーパワーも発揮中!

 気に入った地域には、できれば長く住み続けたいもの。親世代を呼び寄せて一緒に住むという選択肢を検討できるか。あるいはまだ先のこととはいえ、自分が高齢者になった時にそのエリアでどのように暮らせるのかも重要だ。

 武蔵野市では、シルバー世代も生きがいを感じながら、健康に暮らしていくための施策を展開している。とくに、独特なのが、地域での支え合いを目的とした「テンミリオンハウス」。地域住民が主体となり、年間1000万円(テンミリオン)を上限とした市の補助を得てデイサービスやショートステイなどを提供する施設で、市内に7カ所開設されている。

 例えば、「テンミリオンハウスそ~らの家」は、地域の有志で構成されたグループが運営。40~60歳代のスタッフがやりがいをもって働いている。自然素材を使用し、ソーラーシステムを設置した建物は開放感たっぷり。手芸や合唱といったボランティア講師による多彩なプログラムや手作りのおいしい昼食などを楽しみに、1日平均22人もの高齢者が集う憩いの場となっている。

 また、シルバー世代になっても自分が身に付けた知識や技術、経験を生かして働くことができる「シルバー人材センター」。現在約1200名が登録し、小・中学生の補習教室や子育て支援、技能的な仕事などに生き生きと取り組んでいる。

 自分自身の時間を満喫する元気な親世代と、時には自身の子育てを少し手伝ってもらいながら一緒に暮らす……そんなスタイルが実現できるのも武蔵野市の魅力だ。

ボランティア講師とタオルで体操を楽しむ「テンミリオンハウスそ~らの家」に集う方々。ボランティアスタッフによるじんわり美味しいヘルシー昼食も大人気。「シルバー人材センター」を通して、いきいきと仕事に取り組むシルバー世代も多い
ボランティア講師とタオルで体操を楽しむ「テンミリオンハウスそ~らの家」に集う方々。ボランティアスタッフによるじんわり美味しいヘルシー昼食も大人気。「シルバー人材センター」を通して、いきいきと仕事に取り組むシルバー世代も多い
ボランティア講師とタオルで体操を楽しむ「テンミリオンハウスそ~らの家」に集う方々。ボランティアスタッフによるじんわり美味しいヘルシー昼食も大人気。「シルバー人材センター」を通して、いきいきと仕事に取り組むシルバー世代も多い
ボランティア講師とタオルで体操を楽しむ「テンミリオンハウスそ~らの家」に集う方々。ボランティアスタッフによるじんわり美味しいヘルシー昼食も大人気。「シルバー人材センター」を通して、いきいきと仕事に取り組むシルバー世代も多い

自主的な地域コミュニティで、街力をアップ

 “遠い親戚より近くの他人”ということわざがあるように、いざというときは近くに住む隣人が頼りになる。そうした関係性は地域のつながりがあってこそだが、実は武蔵野市には全市を網羅する自治会や町内会がない。

 その替わりに市では、昭和46年に策定した「武蔵野市コミュニティ構想」に基づき、市民が自主的に企画、参加、運営する地域コミュニティづくりを推進。独自の地域コミュニティが育っている。その活動拠点となるのが、「コミュニティセンター(コミセン)」だ。市民の誰もが利用できる多目的施設で、管理運営は地域の人々で組織する各地域のコミュニティ協議会が担う。

 分館を含め市内に19カ所あるコミセンのひとつ「八幡町コミセン」も、地域の市民ボランティアが運営している。地域住民の声を生かして建てられた施設内には、コミュニティひろばやクッキングルーム、和室、親子で遊べるスペース、防音室、学習室など多様なスペースがあり、趣味のサークルに貸し出したり、ロビーコンサートや植物に親しむ会など多彩なプログラムを実施。子どもから高齢者まで1日平均120人が自由に利用し、地域住民のつながりの場として機能している。

 また、1995年の阪神・淡路大震災以降、市民グループが「自主防災組織」を結成。自然災害などに備えて、日頃から避難訓練や防災用資器材の点検をするなど、地域の防災力を自ら高めている。「もしも」のときは、地域で助け合う。武蔵野市には、そんな精神が育まれている。

“もしもの時”に備えて、武蔵野市では自主防災組織が日ごろから訓練を実施。「八幡町コミセン」は子どもからお年寄りまでが集う、まさに町全員のサロン的なスペース。充実のクッキングルームもうれしい
“もしもの時”に備えて、武蔵野市では自主防災組織が日ごろから訓練を実施。「八幡町コミセン」は子どもからお年寄りまでが集う、まさに町全員のサロン的なスペース。充実のクッキングルームもうれしい
“もしもの時”に備えて、武蔵野市では自主防災組織が日ごろから訓練を実施。「八幡町コミセン」は子どもからお年寄りまでが集う、まさに町全員のサロン的なスペース。充実のクッキングルームもうれしい
“もしもの時”に備えて、武蔵野市では自主防災組織が日ごろから訓練を実施。「八幡町コミセン」は子どもからお年寄りまでが集う、まさに町全員のサロン的なスペース。充実のクッキングルームもうれしい

「武蔵野市まち・ひと・しごと創生」で、暮らしがもっと充実!

 武蔵野市では、自治と連携をキーワードに「住みたいまち」から「住み続けられるまち」を目指し、武蔵野市まち・ひと・しごと創生「人口ビジョン」「総合戦略」を策定。3つの基本目標を掲げ、実現を目指している。

 その基本目標の2つ目が、「子育て世代を地域社会全体で支え合い、妊娠、出産、子育ての希望がかなうまちの実現」。子ども自身の育ちと子育て家庭への総合支援、地域社会全体の連携による子ども・子育て支援の充実、次代を担う力をはぐくむ学校教育/青少年の成長・自立への支援といった具体的な施策により、すべての子育て家庭が安心して子どもを産み、育てられる地域づくりをしている。

協力/武蔵野市