体調管理に活用するアロマテラピー

 アロマテラピーで用いる精油にはさまざまな作用があり、体調管理に活用できることが実験で確認されているものもあります。

睡眠モードへの切り替えにはラベンダー

 体内時計を整えるうえで大事なのは、オンとオフをきちんと切り替えること。そのために夜におすすめしたいのは、ラベンダー。交感神経優位(オンモード)の状態から、副交感神経優位(オフモード)へと導いてくれる、寝る前にはぴったりの精油です。深い眠りが増え、起床後の目覚めも快適になることが、実験でも明らかになっています。ディフューザーがなくても、ティッシュに1~2滴たらして枕元に置くだけもOKです。

寝る前にラベンダーの香りで芳香浴をした結果、芳香浴をしなかった時に比べて、深い睡眠の割合が増加しました。また、朝の活力が増加したと感じた人が多い結果が得られました。(出典:An olfactory stimulus modifies nighttime sleep in young men and women, Chronobiology International,22(5),889-904(2005))
寝る前にラベンダーの香りで芳香浴をした結果、芳香浴をしなかった時に比べて、深い睡眠の割合が増加しました。また、朝の活力が増加したと感じた人が多い結果が得られました。(出典:An olfactory stimulus modifies nighttime sleep in young men and women, Chronobiology International,22(5),889-904(2005))

朝スッキリ目覚めるためのグレープフルーツ

 朝の目覚めをサポートするためにおすすめなのが、グレープフルーツ。「なんとなくスッキリする」という感覚だけではなく、交感神経を優位にする作用が実験で確認されています。精油をエタノールと精製水で希釈したスプレーを作って枕元に置いておき、目覚めとともに部屋に香らせると、活動モードになれます。

プチ不調もアロマで緩和

 ストレスや緊張が原因となるプチ不調の緩和にもアロマテラピーは役立ちます。例えば、女性に多いと言われている発作性の頭痛である片頭痛。ズキン、ズキンと脈打つように痛み、吐き気がしたり、寝込んでしまったりと、日常生活に支障をきたす場合もあります。また、片頭痛の発作が不快なニオイによって引き起こされることもあります。一方で、好きな香り・心地よい香りを日常的に感じると、片頭痛の発作回数が減少したことが実験で確認されています。

頭痛発作回数の変化
頭痛発作回数の変化
グレープフルーツ、オレンジ・スイート、イランイランの3つの精油から、好きな香りを1つ選び1カ月間、10分間の芳香浴をした結果、頭痛の頻度が低下しました。(出典:片頭痛患者におけるアロマテラピーの効果、アロマテラピー学雑誌,15(1),63-67(2015))

 アロマテラピーを普段の生活に取り入れ、より健康的な毎日を送る――。それには、アロマテラピーの正しい知識が必要です。アロマテラピーを知ることは、自分の心や体に向き合うこと。春から始まる新生活に向けて、アロマテラピー検定から始めてみませんか?



協力/日本アロマ環境協会