開封されないメールは意味がない

 繰り返しになりますが、開封されないメールは意味がありません。では、どのような件名を付けたらいいと思いますか。ここで「目立つ件名」と答えた方は残念ながら不正解です。

 実は、迷惑メールを送る人たちと同じ発想なのです。単純にメールを目立たせようと思ったら、冒頭に「■」「★」などの記号を付けることを思い浮かべるでしょう。今まで、そのような記号が付いた件名のメールを受け取ったことがありませんか。そのとき、どのようなことを考えましたか。

 多くの方が過去に、こういった記号が付いた営業メールや迷惑メールを受け取っています。そのため、このような件名に出会った瞬間に「うさんくさい」、「営業かも」、「怖いから開くのをやめよう」なんて判断をしています。もし、開いてもらえたとしても「こんな怪しい件名を付けるなんて、困るなぁ」と思われる可能性もあります。そんな人と仕事をしたいと思えるでしょうか。

誰からの何の件かが重要な指標

 みなさんがメールを開くとき、どこを見ていますか。メールボックスの一覧には件名、送信者名、送信時間、添付ファイルの有無、メールのサイズなどの情報が表示されているでしょう。「12時ちょうどのメールだから開こう!」とはなりません。「添付ファイルがあるから、これから先に開こう」、「添付ファイルのサイズが100KBだから開こう」ともなりません。

 きっと、誰からの、何の件かを見て開いているはずです。誰からの、何の件か。これが重要な指標なのです。

 件名の付け方が重要であることは分かりました。では、件名をどのように付けたらいいのでしょうか。ただ目立たせるだけでは意味がありません。実は、受信者がパッと見た瞬間に「あ!私、関係ある」と思わせる件名が一番いいのです。

 迷惑メールを送る業者は、あの手この手を使って「自分事」だと思わせるような件名を付けます。一人でも多くの人を騙して開封させようとするのです。3月に「ホワイトデーに感謝の気持ちを込めて」と書かれたメールを受け取ったら、一部の人は「あ! あの人からだ」と考えるかもしれません。でも、一部の人は開きません。ビジネスメールは、それではダメなのです。開くべき人が確実に開かないと役に立ちません。