新人のモチベーションを見逃しているかも?

 最近では、仕事へのモチベーションが高くても、「この仕事をやらせてください!」とガツガツするのはよくないと思っている若手もいます。職場の空気を乱すのではないかと心配し、あえてブレーキをかけているのです。また、製造業やIT企業の技術者に多いのは、プレゼンテーションや対話に慣れていないケース。言語化が苦手なため、うまくコミュニケーションを取れていない人です。

 「この仕事、やらなきゃダメですか?」など、先輩からすると一見ふてぶてしい発言をする新人は、ビジネスシーンでの質問に慣れていないのだと思います。コミュニケーションの常識は、世代によってギャップがあります。デジタルネイティブもいれば、連絡は電話が当たり前、という世代もいますよね。ズバズバ言うことがよしとされている世代なのか、控えめであることがよしとされている世代なのか、お互いに分かり合わないと不得意分野の押し付けにしかなりません。

仕事の連絡はメール派? 電話派? 世代によって連絡手段の「当たり前」も異なります (C) PIXTA
仕事の連絡はメール派? 電話派? 世代によって連絡手段の「当たり前」も異なります (C) PIXTA

 新人が「この仕事はどういう意味があるんですか?」と聞いてくるのも、世代間の価値観の違いが一つの原因です。上の世代は「先輩が言ったことは絶対」だと思っていても、今の若い人は「目的意識を持つことが大切」と思っていることがあります。そのため意味を聞いてくるのです。

 そこでカチンときてしまうと、相互コミュニケーションが成り立たなくなります。「なぜこの子はこういう発言をするのかな」ということを、立ち止まって考えてみることが必要です。分からなければ、同世代の同僚に相談してみるだけでも不要なイライラとトラブルを防ぐことができますよ。

 ここでもう一つ大切なのが、新入社員に「情報をきちんと与えること」です。作業の部分だけを切り出して伝えると、新人は「この作業の目的はなんだろう?」「この後どうなるんだろう?」とモヤモヤしたり、作業しかできない人に育ってしまいます。

・最初に「仕事の目的」を伝えること
・「この仕事は、あなたがここまで完遂しなさい」という権限を与えること

 この二つが、新人を受け身にさせないポイントです。