新人との面談にペップトークを応用してみよう

 面談の場でも、ペップトークの4ステップを応用することができます。新人との面談シーンを例に紹介しましょう。

(1)受容

先輩「今日は時間を取ってくれてありがとう。最近どう?」

新人「最近、やる気が出るときと出ないときがあるんです」

先輩「そっかそっか。私もすごくやる気があるときもあれば、やる気が出ないときもあって、どうやってこの波をキープするか考えた時期があったよ」

(2)承認

先輩「やる気があるときは、どんな感じなの?」

新人「メールの返信も早くできるし、資料の作成も進みます」

先輩「どうしてやる気があるのかな?」

新人「うーん、よく寝れてるからですかね……?」

先輩「他にもある?」

新人「朝、少し早く出社できた日はやる気が出ます」

先輩「よく寝れて、早く会社に行けるとやる気が出るんだね」

(3)行動

先輩「じゃあ、これからやる気を維持するためにはどうすればいいと思う?」

新人「期日が近い仕事があると、残業して頑張っちゃうんですけど、なるべく朝の時間に集中してみようと思います」

(4)激励

先輩「夜は早めに切り上げて、朝に回したほうがやる気が出るかもしれないね。じゃあ一回試してみようよ。やってみて、どうだったかまた教えて?」

 どうでしたか? ペップトークの4つのステップを用いて、相手の状況を理解しながら、新人と一緒に答えを出していきました。スポーツの世界で生まれたペップトークですが、このように新入社員とのコミュニケーションにも応用することができます。ぜひ新人と信頼関係を築き、上手に励ますことができる先輩社員になっていただけたらうれしいです。

文/飯田樹 写真/PIXTA

<この人に聞きました>
浦上大輔
浦上大輔(うらかみ・だいすけ)さん
一般財団法人日本ペップトーク普及協会専務理事。一般社団法人日本朝礼協会理事。北海道大学で運動生理学(健康体育科学修士)、理学療法学を学び、運動指導のスペシャリストとして、学校体育、リハビリ医療、高齢者介護の現場で活躍。現在は人をやる気にさせるペップトークの講演・研修を企業、学校、医療・介護、行政、各種団体で行う。著書に「たった1分で相手をやる気にさせる話術ペップトーク」(フォレスト出版)がある。