自己判断せず、まずは婦人科の受診を

 「やはり最良の対処法は婦人科を受診すること。月経痛は子宮内膜症などの病気になる前の『未病』の状態か、既に病気になっているか、どちらかだといえます。放置しておくと、重症化したり、不妊の原因になったりもします。今は医薬品だけでなく、漢方やハーブなど、さまざまな治療方法がありますから、放置しないのが肝心です」(大須賀さん)

 また、月経痛とともに悩んでいる人の多いPMS(月経前症候群)も自己判断するのは望ましくありません。

 ある患者さんの例ですが、10年以上うつの症状に悩まされ、精神神経科に通院していました。治療によって、うつの症状は緩和されたものの、強い眠気や、集中力の低下、気持ちのアップダウンといった症状は残ったままでした。その患者さんは自分が飲んだ薬と症状を記録していましたが、ある時、自分の症状には周期があることに気付きました。月経前に症状が集中していることから、婦人科を受診し、卵巣ホルモンの変動に則した治療や食事の改善などに取り組んだところ、さまざまな不調が改善されたそうです。

 「PMSは人によってイライラしたり、落ち込んだり、頭痛や眠気など症状がさまざまで、その症状が毎回出るとも限りません。そのため何の病気か、どうやって治療すべきかが非常に分かりにくいんです。こちらもやはり、まずは婦人科を受診するべきです」(大須賀さん)

毎月、我慢…していませんか? (C) PIXTA
毎月、我慢…していませんか? (C) PIXTA

 そして、婦人科を受診した上で、ピルを服用するのも月経痛やPMSには有効的。ピルの本来の目的は避妊ですが、毎月の月経をコントロールできることから、月経痛や月経量が少なくなるというメリットがあります。

 実際に「ピル服用で生活に現れた変化」を尋ねると、「月経周期が安定し、日程を組みやすくなった」57.8%、「月経痛がなくなり生活が楽になった」43.0%、「月経量が減り生活が楽になった」42.8%、「避妊を自分の意志でできるようになった」30.6%という調査結果が出ています(OC情報センター2003年度)。