「哲学」ってむずかしいことだと思っていませんか? 「哲学」とは、「ものごとの正体を知ること」。哲学者の小川仁志さんが、身近なことを題材に分かりやすく哲学の視点から読み解きます。今回は、映画「ブリジット・ジョーンズの日記」を哲学。ブリジットみたいな子はモテるだろうな。

イケメンな浮気男 vs. エリートだけど真面目男 

 ブリジット・ジョーンズは、30過ぎの独身OL。お酒、タバコ、甘いものを止められず、太った体を気にしつつも恋愛をあきらめきれない日々を悶々と過ごしています。そんな中、せっかくうまくいったと思った恋愛も、ただの女ったらしに二股をかけられただけで終わってしまいます。

この秋、ブリジットがアラフォーになって帰ってきます
この秋、ブリジットがアラフォーになって帰ってきます

 そして、親が紹介してくれた一応幼馴染のいい男は、その二股男のせいで逃してしまうのです。そんなうまくいかない日常の中で、それでも恋に揺れ動くいつまでも乙女な大人の女性を、ユーモラスかつセンチメンタルに描いた恋愛映画。それがこの「ブリジット・ジョーンズの日記」です。原作はイギリスの女流作家ヘレン・フィールディングの同名のシリーズ小説です。

 どうしてタイトルに「日記」がつくのかというと、主人公のブリジットが自分の揺れ動く感情を、まるで気持ちを整理するかのように日記にとどめていくからです。赤い表紙の大きめの日記は、いまやブリジットの代名詞のようになっています。この作品は2001年に公開され、2004年には続編が公開されています。そしてついに、アラフォーを迎えたブリジットの葛藤を描く第3弾が、この秋日本でも公開される予定です。今回は日記がiPadになっているそうですが、それでも赤いカバーがついているところがミソです。