――たくさんありますね! 持ってきていただいただけで10冊以上。

 ノートは2種類。まず、愚痴や不安といったネガティブワードも含めたありのままの感情を書く「発散ノート」。

 これはね、絶対に中身をお見せできません(笑)。そもそも私自身も書いた後に見直すことはないんです。「負の感情を吐き出す」ことが目的ですから。本当に悩んでいた時は、泣きながら何ページにもわたって書き続けていた夜もありました。

――デトックスしているイメージですね。

 そう。普段は鍵をかけてしまっておきたいくらい。今日はこのインタビューのために、「どんなこと書いていたんだっけ?」と久しぶりに開いてみたら、ビックリしました。負のオーラ全開で……。夫に見せたら、「美穂ちゃん、これは誰にも見せてはいけないね」と忠告されました(笑)。

 道で落とさないように細心の注意を払って持参しましたけれど、「書いた後はサッパリ忘れている」というのがポイントですね。

「あ、これも、見せたらあかんやつです(笑)」
「あ、これも、見せたらあかんやつです(笑)」

最大のメリットは「他人に愚痴らなくなること」

――ストレス発散の方法はいろいろあると思うのですが、なぜ「書き出す」だったのでしょうか?

 書くメリットとしては、感情を言葉に置き換えることで頭の中が整理されていくこと。文字という物理的なものに視覚化して「負の感情を自分の中から吐き出し、解放する」んです。

 嫌なことがあると、くよくよしたり、腹が立ったり。あーでもない、こーでもないと自分の中でぐるぐる回って、私の場合、苦しくて寝られなくなる。そういうとき、手で書き出すと負のスパイラルを断ち切ることができて、驚くほど気持ちがスッキリします。デトックス効果で、本当によく眠れます!

 実は、一番大きなメリットだと思っているのは、「他人に愚痴らなくなること」。自分で吐き出す作業をしているから、誰かに吐き出す必要がなくなるんです。大切な友達や彼の前で、嫌な自分を見せなくていい。「あんな自分を見せちゃって、どう思われているかなぁ」とかえって悩むこともなくなりますね。

――書いた後はどうするんですか?

 この「発散ノート」は、書いた後が重要なんです。私は、ほぼ破いて捨てています。見返すことはないですし、万が一誰かに読まれたことを考えるとぞっとしますね。私の闇が言語化されているので(笑)。だからこそ、いろんな紙に書くのは避けて、この「発散ノート」で厳重に一元管理して、最終的に処分します。

――なるほど。管理方法も肝なんですね。「発散ノート」が1種類目。もう1冊はどんなノートですか?