――先ほど鈴木杏奈デスクご本人にヒアリングしたところ、「緊急時にも小西さんがすぐに『大丈夫! 困ったときはお互いさま!』と即レスしてくれるから、ありがたい」とおっしゃっていました。

 そんなこと、言ってくれてましたか(笑顔)。育児中のやむを得ない事情での遅刻や欠勤の連絡を受けたら、「はーい!」「全然いいよ!」「問題なし!」などなど、ポジティブな言葉ですぐに返すようにしています。それができるのは、チームを構成するメンバー一人ひとりがしっかり力をつけているから。急に欠員が出ても、それぞれが少しずつできることを補って、見事にフォローしてくれるんです。

 そもそも、子育て中の社員やスタッフというのはそれなりに経験もあり、責任を持って仕事を進める工夫ができるメンバーばかり。ワーママというと、「早く帰るから使いづらい」という印象を持つ人もいるそうですが、私の印象は逆です。優秀で仕事の無駄がなく、頼れる存在。もちろん、実力をしっかり磨いてきた経験があるという前提が不可欠ですけどね。「助けてあげたい」という感情だけでは、いい仕事はできませんから。

「お互いさま」精神は、自分が困ったときの担保にもなる

 女性に限らず男性だって、キャリアを積むほどに病気の療養や介護など、いろんな制約条件が生じる可能性は高いですよね。私だって、いつ、どんな制約が生まれるかは分からないと思っています。

 だから、常に心がけているのは「お互いさま」の声の掛け合い。「困ったときはお互いさま」というのは本当にうまく言ったもので、相手をフォローすることは、将来自分が困ったときの担保にもなるはずです。

――実際、「ナゼナニっ?」のワーママスタッフの方々は早く帰っているんでしょうか?

 はい、そもそも時短勤務ですからね。「私のコーナーが終了するのを見届けたら、一切残業しないで帰ろうね」と普段から声を掛けているんです。だから、私が自分の出番が終わって17時くらいにフロアの席に戻ったときには、だいたいいないですね。それで何も問題ありません。

コーナーが終わった直後のCM中の小西さん。この後、時短ワーママたちはすぐ帰宅する
コーナーが終わった直後のCM中の小西さん。この後、時短ワーママたちはすぐ帰宅する

――鈴木デスク曰く、ここ数年で、社内の雰囲気もかなり変わってきたそうですね。子どもを産んだ後に復帰しても第一線で働けるポストができてきたと。

 今まさに変わろうとしている過渡期だと思います。私が30代だった頃には、やっぱり今のように環境は整っていなかったし、私より上の先輩のときはもっとなかったと聞いています。