報道現場もいろいろな人が無理なく働ける環境に

 結局、今も昔も企業社会ってまだまだ男性中心に回っている現場がほとんど。そんな中でも、先輩たちがやっとの思いで開けたわずかな穴があって、その穴が埋まってしまわないように、後に続く女性たちがその穴に手をかけて、少しずつ広げていった積み重ねで、ようやく肌で感じるくらいの新しい風を吹かせられる環境ができてきた。

 私自身は子どもを産んでいないし、子育ての経験もありませんが、そういう過程を見てきたので、彼女たちの奮闘は素直に応援したくなるんです。次の世代のためにも、もっと多様な働き方ができるように新しい流れを促進していくのが、私たちの役目だとも思っています。

「今まさに変わろうとしている過渡期。頑張っている彼女たちを心から応援したいですね」
「今まさに変わろうとしている過渡期。頑張っている彼女たちを心から応援したいですね」

 時短勤務のメンバーもチームでたった一人だったら、言い出しにくかったことも、同じ境遇の人が二人、三人と増えていけば、率直に困り事を相談しやすくなると思うんです。

 そうやっていろんな属性の人が無理なく働ける環境になっていくのが理想ですね。「news every.」のコンセプト、「ミンナが、生きやすく」にも通じる価値観です。

――子育てを経験していない小西さんが、次世代のためにワーママメンバーを積極的に応援しているという点に心動かされます。

 なんか、私がずいぶん優しい人みたいに映っちゃったかもしれませんけれど、放送時間が迫ってくるとほとんど殺気立ってるんですよ(笑)。

 丁寧な言葉を使う余裕は一切なくなって、後から反省することも多々ありますから。手元の原稿を書きながら時間を見て焦って、「ハサミ!(取って)」「赤ペン!(取って)」とかね。ひどいでしょ。

 この間なんて、相撲の「付け人」について説明する原稿を作っているときに、「えー、付け人とは、『ハサミ!』と言われたらハサミを差し出し、『水!』と言われたら水を持ってくる……。あれ? この関取の言い方、あたしみたいやん」と言ったらみんなに爆笑されました(笑)。

 ホント、お恥ずかしいですが、秒刻みで番組を作っていく仕事なので、いつもいつも丁寧に周りをケアできるわけではないのも事実。だからこそ、できるときに精一杯ケアする。言葉をかける。それは、この先もずっと意識していきたいと思っています。

 こういう殺気立ってしまったときは、放送終了後の気持ちのゆとりができた瞬間に、「○○してくれて助かった。ありがとう」の一言を忘れてはいけないですね。気をつけます!

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聞き手・文/宮本恵理子 写真/稲垣純也