練習場所もないので、本来は芝生でやるスポーツなのに、石がゴロゴロ転がる河川敷でやるしかなくて。よくボールが川に落ちるんですよ。でも、うまいことにクロスの先が網になってるんでね、すくい上げるのにピッタリでした(笑)。

 用具がなくて、別の大学では、ゴールキーパーが防具代わりにダンボールを胴体に巻いていたとも聞きました。

「ボールはいくつもないから、なくしたら致命的。川に落ちても必死に探すんです」
「ボールはいくつもないから、なくしたら致命的。川に落ちても必死に探すんです」

 とにかく選手人口を増やさないと試合どころか練習もできないので、ビラを書いて印刷し、ユニフォームを着て校門で配りまくりました。通っていた大学だけでなく他大学もずいぶん回って……。

 英語で書かれたルールブックの資料も取り寄せ、辞書を引き引き自力で訳して、皆に伝えました。苦労したかいあって、他大学が取り入れていない攻撃・防御のテクニックや効果的な練習法も理解できるようになりました。

 一方で、パンフレットに広告を載せるために企業を回ってスポンサーを探したり、新メンバーのユニフォームを発注したり、他大学の指導にも行ったり。毎日めまぐるしい忙しさでしたね。手帳は毎日真っ黒で、就職してすぐ「こんなに緩やかに働いて給料もらっていいの?」と思ってしまったくらい。まぁ、その後、怒涛(どとう)の毎日に変わるわけですが。

 ラクロスの活動を始めた当初に悩んだのは語学学校との両立です。ダブルスクールは諦めたほうがいいのだろうか? と迷っていると、高校時代の友人が「新しい流れをつくるのは素晴らしいことだと思うよ」と言ってくれたんです。「そうか、とにかく頑張れるだけ頑張ってみよう!」と素直に思えて、語学学校も1年間のコースを修了するまで通い続けました。

 英語力を鍛えていたことは後のラクロスの活動にも生きたのでよかったですね。本当に、すべての努力はいつかはつながるものなんだなと思います。

 そうして、続けていくうちに、「ラクロスやってみたい」というメンバーが次第に増えていったんです。

 続きはまた明日――。

【小西さんの話を生で聞けるイベント開催 書籍サイン会も実施!】

■WOMAN EXPO TOKYO 2018 winter■
働く女性の共感を呼ぶこの人気連載がいよいよ登場! 
「小西美穂の七転び八起き」~転んでもチャンスをつかむ方法とは?~

日時:12月1日(土)16時~16時40分
場所:東京ミッドタウン(東京・港区)
無料、抽選制。会場で書籍購入した方には直筆サインもお渡しします。
一見キラキラの小西さんのキャリア、実は、突然の辞令で出向、36歳で正社員→契約社員、初のキャスターで批判殺到、41歳で襲ってきたひとりぼっちの寂しさ…とデコボコ道でした。自分にしかできない仕事のつくり方やチーム力を高めるコツ、行き詰まるモヤモヤ期の脱出法、11歳下の男性との結婚に至った40代からの婚活術は、悩める女性たちから毎回大反響! 共感たっぷりのリアルなお話を、今度は生でお届けします。
◆お申し込みはこちらから→小西さんセッションの詳細(ここをクリック)

「小西美穂の七転び八起き」1400円/日経BP社
書籍をAmazonで購入する → 購入する(ここをクリック)

聞き手・文/宮本恵理子 写真/稲垣純也