不安と喪失感を抱えて夜の街をさまよう

 それまで全く気にも留めていなかったのに、やけに街中の家族連れが目に留まって。当時の私は、仕事での「居場所がなくなったこと」で40歳を過ぎて恋人もおらず、子どももいないという喪失感に相当襲われていました。

仕事で悩み始めたら、プライベートの寂しさまでこみあげてきた
仕事で悩み始めたら、プライベートの寂しさまでこみあげてきた

 系列局の読売テレビから異例の中途入社で、会社の人には弱みを見せられない、プライドも当時はありました。弱み見せたってええやんって今なら思えるんですけどね。

 だからその頃、私、夜の街をさまよっていましたね(笑)。

――え! 夜にさまよう? どこに行ってたんですか、小西さん。

 笑わないでくださいね。つまり、仕事を終えて早く家に帰っても、一人でぐるぐる考えるだけなので、すぐに帰宅したくないんですよ。だからといって、誰かに会って楽しく過ごせる気もしない。

 だから、通いましたよ、丸の内の大丸には。夜遅い時間まで開いていたこともあり、平日の夜は私みたいな独身の女性ばっかりいたんですよ(笑)。あ、なんで大丸かというと、私、出身が関西だから、百貨店のホームグラウンドは伊勢丹じゃなくて大丸なんです(笑)。なんか落ち着くんですよね。これ、関西人なら分かると思います。

 大丸であてもなくウロウロした後は、横断歩道を渡って八重洲ブックセンターへ。ずいぶん、自己啓発系の本を買いました。なんとかして不安を拭いたくて、心のよりどころが欲しかったんでしょう。

 一度に5冊も6冊も買っていましたが、部屋に並べて置いていました。買うことが安心材料になっていたんでしょうね。

 それからゆっくりと皇居の周りを歩いて、数十分もかけて歩いて帰るんです。歩いて帰ると疲労感で深く眠れるから。かなりヤバい状況だったなと思います。



 この後、不安を抱えたままで小西さんは41歳の誕生日を迎える。40歳の時に開いたキラキラ誕生日パーティーとは異質の誕生日。どんな誕生日を過ごしたかについては、「小西美穂 41歳の一人誕生日と人生が好転する出会い」で!。

聞き手・文/宮本恵理子 写真/稲垣純也

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