ドンちゃんと買い物ツアーに出掛けるたび、「こんなの着たことない!」という未知の世界に足を踏み入れました。長らくパンツ派だった私にとって、タイトスカートやロング丈のワンピースへの挑戦は、ちょっと勇気がいるものでしたし、「似合わない服を着て、おかしいと思われないかな?」と不安にもなりました。でも、思い切って着てみると、意外と周りは自然と受け入れてくれて、「なんか今日、いいね」と褒めてもらえることがほとんどでした。

 すると、だんだんと新しい装いを試すことが楽しみになっていきます。不安よりもっと新しい自分に出会ってみたい! という気持ちが勝るように。食わず嫌いをやめてトライしてみることで、少しずつ、開放されていく私がいました。

――メイクとファッションの改造の他に取り組んだことはありますか?

 インテリアの師にもアドバイスをいただきました。当時北欧家具のPRマネジャーとして活躍していた友人のアヤホさんです。

 その頃、私の部屋はどちらかというと冷たく無機質な雰囲気でした。黒革のクッションや、やはり黒で直線的なラインの椅子など、スタイリッシュな雰囲気にまとめていたのです。当時の私は、なんとなく、そのほうが都会的でカッコいいのかなと思っていたんですね。

 私の部屋を見てアヤホさんは一言。「美穂さん、ちょっと硬過ぎますね。もう少し女性的で柔らかな印象にしましょう」。そこで私が思いついたのは、鈴木京香さんでした。「鈴木京香さんが暮らしているようなイメージの部屋を目指したい!」とアヤホさんに伝えて、二人で目標を設定。妄想するだけで、モチベーションが何倍も上がりましたね(笑)。

 黒い家具はある程度処分し、椅子もテーブルも白やベージュで統一していきました。「テーブルは柔らかな白がおススメですよ。テーブルに着いた時に、レフ板効果で顔色が明るく見えますからね。美穂さん、これから出会う男性を招いたときのことも考えたら黒よりも白ね!」。勉強になります(笑)。

 アヤホさんが特にこだわったのは玄関でした。「いい空気が流れる玄関をつくりましょう」と、物を整理して、スッキリとした空間に整えてくれた後、薦められて買ったのは、手織りのキリムのラグマット。白基調の空間に映える民族調の織物のデザインは、1枚あるだけで空間をオシャレな印象に引き締めてくれます。絶対に自分では選ばない、プロならではのコーディネートです。

――「その道のプロ」のアドバイスにすべて従っていったのですね。

 メイク、ファッション、インテリアと、さまざまなアプローチで自分自身を改革していくプロセスは、やればやるほど楽しめるものでした。

 たかが見た目、されど見た目です。どこまで自分を磨けるかチャレンジしてみようと、ゲーム感覚でやる気になれました。まさに大会。私は自分磨き選手権の優勝を目指して、ピュアな気持ちで頑張っていました。

 トモちゃんをはじめとするアドバイザーとなってくれた人たちも、私の変化を喜んでくれて、この「ジブン大会」の期間に女の友情が育まれたような気がします。

 「もっとよくなろう! すてきになろう!」という前向きな気持ちでつながっている仲間だから、いつ会っても楽しい。内面を磨くことも大事だけれど、外見を磨くトライをすることで、こんなに世界が広がるんだ、自分に自信を持てるようになるんだと気付けたし、人生の楽しみ方が広がったような気がします。