一番怖いのは、「分かったつもりになること」

――改めて、小西さんは「人に聞く」ことで得られる学びを大事にされていますね。キャリアの「暗黒時代」を乗り越えた時も、婚活につながる「自分磨き」に励んだ時も、知りたい情報を持つ人を訪ねてインプットする。記者として培った「取材力」を発揮して、視野を広げていらっしゃいます。

 一番怖いのは「分かったつもり」になって、学びを止めてしまうこと。私はいつも学びながら成長していけたらいいなと思うし、何より、知らないことを知るという行為が好きで楽しいんです。

 自分と似た立場の人だけでなく、いろんな世代や自分と違う経験をしてきた人から積極的に吸収しようとしてきました。

――例えばどんな方からどんな学びを?

 そうですね。結婚して間もない頃、「私には家事全般の経験が不足している!」と思った時には、学生時代にやっていたラクロスの後輩のお母さんの「ミッチーさん」の元に泊まりがけで修業に行ったこともあります。

 ミッチーさんは、家事一つをとっても、四季を彩る食や草花を取り入れ、毎日を丁寧に暮らしているすてきな方です。家の中にはいつもセンスのいい器や季節の飾りがあり、旬の食材を使ったお料理もとってもお上手でした。

 一緒にお買い物に行って食材の選び方を教えてもらい、台所に立って包丁の扱い方を教えてもらい、器やカトラリーのテーブルコーディネートを教えてもらい。「大葉はこういう方向で切ることで無駄なく美しく見えるのよ」といった細かな教え一つひとつが新鮮で面白くて、今の生活にとても役立っています。

ミッチーさんに教わったレシピや料理のコツもノートに記録。左ページには、元日テレアナウンサーの森麻季さんに教えてもらったレシピメモが
ミッチーさんに教わったレシピや料理のコツもノートに記録。左ページには、元日テレアナウンサーの森麻季さんに教えてもらったレシピメモが

 関西からロンドン、そして東京……と働く場が変わり、東京でキャスターになったばかりの頃は「東京のこともよく知っておかないと」と、都内のいろんなエリアに出掛けていました。当時話題になっていた秋葉原のメイド喫茶にも行ってみました。以前もお話しした、仕事でなかなか成果を上げられなかった「暗黒時代」には、自分に足りないものをゼロから学ぶ気で、日テレ学院の講座に通い、「しゃべり」の基礎を勉強しました。(過去記事・小西美穂 心が弱ったときに「私を助けてくれたもの」

 こうやって振り返ってみると、私は自分の置かれる立場や環境が変わったときには特に積極的に学びに出掛けようとしているのかもしれませんね。

 そして、学びが役に立ったときには感謝を伝えるのも大事。「あの時教えてもらったことが、こんなふうに役立ってます」と、どう生かしたかまで具体的に伝えるようにしています。感謝をフィードバックすることが、ご縁を大切に長持ちさせるコツかなと思っています。

文/宮本恵理子 写真/稲垣純也

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