仕事優先でやってきたけど、これでいいのか

広岡 楽しくて。親からは何度も「結婚しなさい」と言われていたんですが、すぐに興味は湧かなくて。家事も苦手だったので「自分に結婚は向いていないんじゃないかな」と思うところもあって、ずっと仕事を優先してやってきました。

 でも38歳くらいになると、仕事もだんだん人に任せられるようになって落ち着いてきたんです。そこで41歳でやっと婚活をする気になって、結婚相談所に登録してみることから始めました。

小西 それで、それで?

広岡 一人、継続的に会う相手ができて、お茶をしたりというお付き合いが4カ月ほど続いたんですね。でも突然、お断りされてしまって。しかも、本人から直接ではなくて人を介しての連絡だったことがショックで。

小西 それは、あかん……。

広岡 それまで婚活のことは友達にも黙ってやっていたんですけど、一人で抱え切れなくて「こんなことがあった」と聞いてもらいました。すると、皆が励ましてくれて気持ちが前向きになれて「新しいことを始めてみようかな」と。仕事とは別に、自分ができなかったことをやってみようと、今年になってお料理を習い始めたら思った以上に楽しくて。小西さんが本でも紹介している「ジブン大会」にも通じるかなと思いました。

小西 お料理! いいですね。

広岡 はい。しかも、通っているスクールがマンツーマンスタイルですごく本格的なお料理を教えてくれるところで、ちょっと高いんですけど通いがいがあるんです。この間は「なます」を大根の桂むきから習いました。

小西 楽しそう。もっと聞きたい、その話。

広岡 友達に話しても盛り上がって、ビールもぐいぐい飲んで楽しくなれるんですけど、ただ翌日すごく落ち込んじゃうこともあって。婚活はいったんお休みにしています。

小西 まず私が言いたいのは、他人を介して断ってくるような相手と結婚まで進まなくて本当によかったねぇ! ということ。肝心な時に逃げるタイプじゃないですか。1年、2年も付き合わなくて4カ月で済んで、広岡さん、ほんまラッキーだった!

 そして、一度そういうことがあったので今は気持ちが停滞しているかもしれないけれど、「いつかまた出会えるはず」と信じ続けていいと思います。

 今の広岡さんは仕事もできて、すてきな友達にも囲まれて充実しているかもしれないけれど、「このくらいでもいいかな」と思ってしまったら、それで止まっちゃう。もったいないです。今でも十分にすてきだけど、「もっと幸せになりたい」と願いながら新しい出会いに対して積極的になることって、実は、40代の婚活においてはすごく大事なんですよ。40代からガツガツと婚活してきた経験者として申します(笑)。

「私も、40代になってからゴリゴリの婚活をしたので分かります」(小西さん)
「私も、40代になってからゴリゴリの婚活をしたので分かります」(小西さん)

広岡 「このくらいでいいかな」という考えだと、止まってしまうんですね。

小西 当時ショックだったはずのエピソードも、今こうして初対面の人たちの前で話せるなんて、素晴らしいこと。

広岡 はい。最近はお客さんにまで話すことができて、面白がってもらっています。

小西 もうちょっと時間がたつと、もっともっと面白く話せるようになりますよ(笑)。

 私もね、婚活中に焦っていた時は決して人に話せなかったこともあります。でも、時間がたつとネタになる。ネタにできるってことは、その時の自分を越えられたってことなんですよね。ぜひネタにしながらも諦めず、新しい出会いをつかんでほしいです。

広岡 はい、頑張ります。