「あまり難しく考えなくても大丈夫。自分がどんなときに幸せや喜びを感じられるかを振り返ってみることです。例えば、人のために役立っていると感じられた時が幸せとか、新しいことを考えているにワクワクするとか、人が成長するのを見ることに喜びを感じるなど、幸せを感じるポイントは人によって違います。自分にとって心地よい状態=BEです。

 どんな状態が自分にとっていいのかを見つけるのが難しければ、逆に、どんなときに不満を感じるか、不安を感じるかを考えてみるといいでしょう。例えば、上司からの指示が多いとなんとなく気持ちが萎えるという人は、自分から能動的に働きかけることができる状態が自分にとって心地いい状態であることが分かります。自分を知るためには、自分が抱いている不満や不安も大きなヒントになるのです」

他の人の「いいとこ取り」でも構わない

 また、たくさんのロールモデルの「いいとこ取り」をすることで、なりたい自分像を探る方法も。

 「『この人いいな』と思う人がいたら、どこに引かれたのかを考えてみましょう。『ロールモデルがいない』と嘆く人も多いけれど、一人にすべてを求めるのではなく、たくさんの人の『いいとこ取り』をすることで、理想像ができる。自分がどうありたいのかが見えてくると思いますよ」

 「BE」が見えてくることで、「DO」もイメージしやすくなります。例えば、新しいことを考えている時にワクワクするという人なら、それを実現できるのは、自分のアイデアを生かせる仕事。

 人と接したり、チームで何かを作り上げていくことに喜びを感じる人なら、販売や営業、あるいは、事務職でも人と交渉をしたり、チームで成果を上げることを重視している職場が向いているなと考えていく。

 「自分が大切にしている価値観で働くことができれば、仕事に納得感が持てるはず」と錦戸さんは言います。

 「自分が大切にしている価値観を認識できたら、一度、今自分がやっている仕事を見直してみてください。見方を変えたり、やり方を変えたりすることで、今の仕事の中でもあなたの価値観を大切にできる部分があるかもしれません」