アラサーの転職は3つのパターンに分類される
では、面接を通して企業からの「なぜこの求人に応募したのですか?」という質問にどのように答えればいいのだろうか?
エン エージェントの磯村舞さんは、転職活動の場合は、「3つのパターンに分類されます」と話す。転職の場合は「前職と職種は同じだ(近い)が、業種が異なる」パターンと、「前職と業種は同じだ(近い)が、職種が異なる」パターンと、「前職と業種も職種も同じ(近い)」パターンのどれかだ。
「前職と職種は同じだ(近い)が、業種が異なる」パターンと、「前職と業種は同じ(近い)だが、職種が異なる」パターンでは、それぞれ、前職の職務経験や実績をアピールし、○○の理由で異なる業種あるいは職種である貴社に興味を持ったので、前職経験を生かしつつ、ぜひチャレンジしたい、という伝え方をしよう。
また「前職と業種も職種も同じ(近い)」パターンの場合は、その企業を志望する明確な理由を伝えるようにしよう。このように、転職先で生かせそうな前職での職務経験と新しい職種または業種、企業で働きたいと考えた動機をきちんとつなぎ、「なるほどそういう理由なんですね」と、相手が納得できるように答えることができれば、内定はぐんと近づくだろう。
ちなみに、「前職と業種も職種も異なる」というパターンも無くはないが、第二新卒以外、転職で未経験をアピールするメリットはないといっていい。業種も職種も未経験という場合も、なにかしら、それまでの仕事経験の中で応募している職種に近い部分を探し、その経験を生かしたい、など、共通点を見つけてアピールするようにしたい。
説得力のある志望動機を語るためには
「なぜこの求人に応募したのですか?」という質問に対して、より説得力のある答えを出すためには、どうすればいいのだろうか。
「やはり、応募先企業の事業や仕事についても事前にしっかりと調べることと、自分自身の職務経験やスキル、動機などを見つめ直し、きちんと把握しておくことが重要です。そして、応募先に合わせて自己PRや、今までやってきた仕事など、面接で語る内容をつくり上げるようにしてください」(エン エージェント磯村舞さん)。
転職の場合、一番アピールすべきなのは、なんといっても前職での経験だ。
営業成績など数値で語れるものはなるべく見える形で伝えるとともに、どんな仕事をどのような姿勢で取り組み、何を得たのか、といったことを、応募先企業の事業や応募する仕事につなげて語れるようにする、ということになるだろうか。
また、未経験の職種、業種に挑戦する理由についても、「前職での仕事を通じて、○○が重要だと感じるようになり」などと自分の具体的な経験を基に語れると説得力が増すはずだ。
転職の面接を前に「何をどう準備すればいいのか分からない」という人は、あれこれ悩む前に、まずは「なぜこの求人に応募したのですか?」という問いに対して説得力のある答えが返せるかどうかを確認してみよう。
文/井上佐保子 写真/PIXTA