「第一志望の会社じゃなかったし、できれば希望の会社に転職したいな」「やりがいはあるけど忙しすぎて、子育てしながら続けられそうな仕事に転職したい」「結婚、出産前に、キャリアアップできる会社に移りたい」など、誰しも一度は転職を考えたことがあるはず。そこで、アラサー女子の転職事情について、注目の転職エージェント3社に話を聞いてきました。今すぐ転職したい派もいつかは転職したい派も、知っておきたい転職の最新情報をお届けします。

アラサー女性の転職に追い風が吹いている

 巷では転職市場が盛り上がっているらしいという噂はあちらこちらで耳にするものの、アラサーの働く女性市場では実際、どうなのだろうか。

 転職エージェント3社に聞いてきたところ、3社ともに「求人数は過去最高水準に迫る勢いで、伸びています」との回答だ。

 同様に応募者数も伸びており、まさに大盛況といっていい。要因は日本企業の業績が比較的よく、景気が良いから、という側面もある。転職サービス「DODA」などを手掛ける総合人材サービスのインテリジェンスで転職支援に携わる川嶋由美子氏は、「それ以上に、この先、人手不足が見込まれているという理由が大きいです。少子高齢化の進行により、労働人口が減っていくことが明白な中、採れるだけ若い人を採っておきたい、という危機感が背景にあります」という。

 しかも、最近では、ダイバーシティを戦略として捉え、性別は関係なく、「いい人は積極的に採りたい」という企業が増えており、アラサー女子の転職には追い風になっている。

女性活躍推進法施行で大手にリベンジ転職のチャンスも

 近頃は、中途採用はほとんどないと思われていた大手企業からの求人も増えているという。「実は、ダイバーシティを戦略的に進めている大企業からの求人が少しずつ増えてきています。特にこの2016年4月から施行となった女性活躍推進法の影響で、女性管理職比率の目標数値を設定している企業も多く、『女性管理職候補を採用したい』と採用に動いていますね」(インテリジェンス川嶋氏)。

 名前の挙がった企業は、新卒市場で人気トップテンに入るような有名大企業ばかり。多くの人を動かして仕事し、成果を上げた経験をうまくアピールすることができれば、新卒時は難しかった大手企業に手が届く可能性もゼロではない。

(C)PIXTA
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 「今のアラサー世代は、ちょうどリーマンショックや東日本大震災により新卒採用が厳しい時期に入社していることもあり、就職活動では不本意な結果しか得られなかった、という人が多くいます。そうした人にとっては、新卒時に行きたかった会社に再挑戦できる『リベンジ転職』の絶好の機会かもしれません」(インテリジェンス川嶋氏)。