売り手人材が持っているのは「ポータブル・スキル」
転職市場では一般的に、どのような人材が求められているのだろうか。
実は、どのエージェントからも聞かれたのが、「ポータブル・スキルの高い人」という言葉だ。
「ポータブル・スキル」とは、業種や職種、企業が変わっても通用するスキルのことを指す。営業でいえば、自社製品に対する知識がいくら豊富であっても業種や職種、会社が変われば生かせないが、プレゼン能力やコミュニケーション能力といったスキルは転職後も生かすことができる。このような仕事の成果を上げるために必要なスキル全般を指して「ポータブル・スキル」と呼んでいる。
ただし、こうしたスキルは資格や数値などで客観的に証明することが難しい。27歳前後の働く女性の転職サービスを運営するShift代表の水澤直人氏によると、「転職活動の際は、『営業部内で売上1位を取りました』などといった客観的実績を示すだけでなく、『自分はこう考え、このように行動することで目標を達成できた』など、目標を達成したり、成果を上げたりした仕事経験を自分の言葉で語ることによって、『ポータブル・スキル』を証明することが求められます。そのためにも、求職者の皆さんには、履歴書を書く前に、まずはキャリアの棚卸をしてください、とお願いしています」。
●インテリジェンス キャリアディビジョン人材紹介事業部ゼネラルマネジャー 川嶋由美子さん
●Shift代表取締役社長 水澤直人さん
文/井上佐保子