各求人エージェントはどこも転職相談の窓口を設けているが、相談者によっては、転職を勧めないケースもあるという。ずばりどんな人なのだろうか?

「転職に向いていない人」ってどんな人?

 転職サイト・Shiftで多くの転職希望者の相談に応じた経験のある松本恵氏は「抱えている問題が、転職をしなくても解決可能な場合は、転職をおススメしません」と話す。

 例えば、上司や同僚などとの人間関係に悩んでいる場合や仕事内容に不満がある場合、部署異動を願い出ることによって解決する可能性もある。転職は最終手段と考え、まずは、今いる職場でできることを試してみると、意外に道が開けることもあるという。

(C)PIXTA

 また、大手企業にいて、これ以上ないというような条件で働いている人にも、転職は勧めにくいという。「収入面では上回っても、残業が多い、ノルマが多いなど、働き方がよりハードになる可能性もあります。大手企業には部署も多く、さまざまな職種の仕事があります。条件面を考えると、まずは社内で異動する道を模索していただく方が現実的です」(松本氏)。

 また、大手企業にいながら「どうしてもこの仕事がしたい」と、中小のベンチャー企業への転職を希望する人もいるが、給与や福利厚生、制度面などで、大企業では当たり前だったものが、保証されないケースもある。そうした条件変更について、ある程度納得した上で転職活動を進めていきたい。

不安の原因が実は仕事ではないこともある

 「このまま家と会社を往復するだけの単調な毎日が続いていくと思うと不安」「結婚もせず、ずっとこのままこの会社で働き続けるかと思うと不安」など、明確な理由はなくもやもやした漠然とした不安を解消する手段として転職を考える人もいる。よくよく聞くと、恋愛や人間関係など、悩みの原因が、仕事以外のところにあったりするケースも。

 もちろん職場の人間関係に悩んで転職を考えるというのは、悪いことではないが、転職した先でいい人間関係が築けるという保証はない。「転職にはリスクもありますし、転職すればすべての問題が解決する、というものでもありません。なぜ自分が転職したいのか、その理由を明確にしていくと、転職がベストの解決策ではないこともあります。転職を考える前に、まずは今いるところで他にできることはないか、探ってみていただきたいですね」(松本氏)