3.専門性を高める
どんな仕事に転職しても通用するポータブルスキルが重要な一方で、やはり専門性を高めることも忘れてはいけない。やはり30代以上の転職の場合は、即戦力であることが求められるため、その仕事なりの専門性、テクニカルスキルは欠かせない。「できれば、その道のプロを目指すつもりで、専門性を高め、極めていってほしいです」(佐地氏)。
とはいえ、「長年、採用担当をやっています」「Webマーケティングのことはそこそこ詳しいです」といった程度で、なかなか専門性を売りにするところまではいかない、という場合もあるだろう。より市場価値を高めるためには、「専門性の掛け合わせ」も効果的だという。例えば、「採用×営業力」「Webマーケティング×英語力」など、専門性を掛け合わせると、市場での希少性を高めることができ、他の人と差別化することができる。
掛け合わせる専門性の一つとして、まず挙げられるのは、「マネジメント力」だ。やはり会社というものが人で成り立つ組織である以上、人を扱うマネジメント力はどの企業からも求められている。とはいえ、アラサー世代で管理職についている女性はそう多くない。
「アラサー世代であれば、メンターとして新人育成に力を入れた、周囲の人を巻き込んでうまく仕事を回した、など、後輩を育成したり、人を巻き込んで仕事をした経験からマネジメント力をアピールすることも可能です。日ごろから、マネジメント意識を持って仕事を進めていくことが重要です」(佐地氏)
将来、転職を考えている人は、この3つのポイントを踏まえ、明日から少し意識を変えて仕事に取り組んでみてほしい。
●LiB 事業開発 佐地良太さん
文/井上佐保子 写真/PIXTA