「スキルや知識も高まり、年収も上がるキャリアアップ転職をしたいのであれば、しっかりとキャリアビジョンを持ち、長期的な視野をもって臨んでいただきたいですね」と話すのは、キャリアアドバイザーの藤井佐和子さん。転職活動を始める前に、やっておきたいキャリアビジョンの描き方について話を聞いた。

 「あなたはどんな風にキャリアアップしたいですか?」と聞かれて、明確なキャリアビジョンを即答できる人はなかなかいません。そこで、私のカウンセリングで、最初のステップとしてやっていただいているのが、この三角形のチャートを作ることです。

 図のように三角形の頂点に職種、業界、社風・環境と書きこみ、それぞれについて「大事にしたい」場合は、三角形の頂点の方に点をうち、それほどでもなければ、内側に点を打ちます。その点を結ぶと、「職種は絶対に事務がいいけれど、業界はなんでもいいし、会社の規模や社風にもそれほどこだわらない」「職種や業界はこだわらないけれど、社風は落ちついていて、アットホームなところがいい」など、人それぞれの三角形ができます。

 この作業を通して、転職するうえで大事にしたい価値観、ものさしを見える化し、この三角形を手がかりに、どんな風にキャリアアップしていくことができるのかを探っていきます

(C)PIXTA
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 「職種は絶対に事務職がいい」という場合は、事務職として40代、50代…とどのようなキャリアを重ねていきたいのかを考えてもらいますし、「社風のいい会社がいい」という場合は、具体的にどんな社風の会社がいいのか、なぜいいと思うのか、といったことを徹底的に掘り下げて考えていくのです。