その「ちょっとした違和感」を大事にするべき

 聞いてみると、
「面接官に良い印象を持てなかった」
「会社の雰囲気が暗かった」
「メールのレスポンスが悪かった」
「オフィスを見せてもらえなかった」
「なぜ求人が出たのか、理由を教えてくれなかった」
など様々でしたが、どの方もそのことをきちんと確認することができないまま入社してしまったといいます。

(C)PIXTA
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 違和感を感じながら転職をしたけれど問題なかった、というケースももちろんありますが、やはり違和感を持ったまま入社して失敗したとなると、後々悔やんでも悔やみきれません。気になることがあれば、直接質問してみるなり、社員の人に聞いてみるなり、様々な形で原因を探り、納得してから入社するようにしましょう

ベンチャーキラキラ経営者にご注意!

 また、よく聞くのがベンチャー企業や中小企業で、「社長が魅力的だったから」と入社して失敗した、という話です。自力で会社を興し、事業を広げている社長は、当然プレゼンも上手ですし、見た目も素敵な魅力的な人が多いもの。社長の熱い口説き文句に乗せられて入社してみると、わがままなワンマン社長だった、羽振りがよくキラキラしているのは社長だけで、社員は安いお給料で長時間働かされ疲弊していた、といったケースもままあるようです。

 転職したいという人も、転職を考えていないという人も、これからは自分のキャリアを自分で築いていく時代。転職しないという人も、求人情報をチェックしたり、職務経歴書を書いて自分のキャリアを振り返ったりすることで、会社の中でどうやってキャリアアップしていくのかを考える良い機会にしていただきたいです。

文/井上佐保子 写真/PIXTA

藤井佐和子

キャリエーラ代表。キャリアアドバイザー。
カメラメーカー、人材エージェントのコンサルタントを経て、2002年に独立、現在は、女性を対象とした、延べ13000人以上の対面キャリアカウンセリング実施、また、ダイバーシティやキャリアをテーマに企業研修、講演を行う。主な著書に「あなたには、ずっといてほしいと会社で言われるために、いますぐはじめる45のこと」(ディスカバー・トゥエンティワン)など多数。
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