「転職はしてみたいけど、実際やってみたらどうなんだろう。ほかの人はどうやって転職を決めるんだろう」……。漠然としたイメージを抱えている読者も少なくないはず。今回は、実際に転職をしたことがあるアラサーの女性にそのプロセスを聞いてみました。志穂さんは30歳になるまでに2回の転職を経験。今、やりがいのある仕事に取り組むことができ、年収までアップ! 充実した毎日を送っているようです。ノウハウが詰まった志穂さんの転職ストーリーをお届けします。

 キラキラとした瞳が印象的な沢木志穂さん(仮名、30歳)は転職2回目。この春に入社した企業向けの研修や教育事業を行う会社で、シンポジウムやカンファレンスの企画、運営の仕事を行っている。「比較的自由度の高い会社なので、自分の思う通りに動けますし、今までやっていた仕事とは異なる仕事なので、新鮮な気持ちで取り組めています。また、ワークライフバランスを重視する職場なので、残業も多くなく、プライベートも大切にできるようになり、体調も以前より良くなってきました。年収もアップしましたし!」と、今の仕事に満足している様子だ。

 実は、転職2回目という志穂さん。2回ともエージェントを通しての転職だったという。志穂さんに今の仕事に就くまでの転職ストーリーを聞きながら、自分に合う会社をどうやって見つけたのか、エージェントをどう活用したかなど、経験者ならではの転職ノウハウも探ってみた。

入社3年「もっと自分らしく思い切り働きたい!」

 志穂さんが新卒で入社したのは、国内では名の知れたメーカー。就職活動時に、大学時代に磨いた語学力を仕事に生かしたいと考えていたところ、このメーカーが海外進出を積極的に進めていることを知った。その製品に愛着もあったため、「この会社だ」とひらめいて就職を決めた。

入社して3年。「もっと思い切り働きたい」と転職を考えるようになりました。(C)PIXTA
入社して3年。「もっと思い切り働きたい」と転職を考えるようになりました。(C)PIXTA

 本社の経営企画室で役員の秘書業務を行うのが志穂さんの仕事。海外のお客様のアテンドをしたり、海外と英語でやりとりを行ったり、通訳を務めたりと、語学力が生かせる仕事ではあったが、「役員のコーヒーカップを洗ったり、スケジュールを調整したりする仕事もあるなど、自ら動くというよりは、あくまでも裏側で補助的な働き方を求められる仕事でした。もともと行動的なタイプだったので、秘書としておとなしく働くよりは、もっと自分らしく“思い切り働きたい”という気持ちが強くなり、転職を考えるようになりました

 志穂さんが転職活動を始めたのは入社3年目のこと。「どうしたらいいか分からず、まずは話を聞いてみようと」駅ビルに入っていた大手の転職エージェント会社を訪れた。

駅前のエージェントに相談に行ってみた

 経営企画で働いていたということや大学時代に教員免許を取得したことなど、教育にも関心があることをキャリアカウンセラーに話すと、「人事部や人事関係のコンサルティング業務が合っているのではないか」というアドバイスを受けた。

 当時、エージェントを通して受けた会社は2社。1社は最終面接で落ちてしまったが、もう1社のコンサルティング会社に見事合格した。そして、人事関係のコンサルタントとして働くこととなった。