「思い切り働きたい!」はかなったけれど……
転職先のコンサルティング会社では、「ほんとうに“がっつり”働くことができました」。
毎晩、資料作成などの仕事に追われ、「22時に退社できれば早いほう。24時終電ギリギリで帰るのが普通。繁忙期にはタクシーで自宅に帰り、会社に泊まることもある」日々。
前職で身に付けたビジネススキルやプレゼン資料を作る技術は生かすことができたが、コンサルティングの仕事はイチから教わった。
「未経験だったこともあり、覚えることもやるべき仕事も多く、修行僧のようでした。夢の中でもエクセルでファイルを作成していたり、ほんの5分の電車移動でもうっかり寝てしまって乗り過ごしたりしたりするなど、いつも眠かった。実は、生理が止まることもありましたし、何度か体調不良で倒れたこともありました」
このままでは自分が空っぽになってしまう
充実した日々ではあったが、体力的には限界を感じるようになり、「この先、この働き方では続かないかも」と感じるようになっていた。これからもキャリアでステップアップしていきたい。その思いがあるからこそ、仕事一辺倒の生活の中で「このままでは自分自身が空っぽになってしまう。どこかでインプットしなくては……」といった焦りに似た気持ちもあった。
そんなとき、縁があって官公庁での仕事を募っていることを知り、思い切って申し込んだ。
タイミングが合い、志穂さんは1年間出向することが決まったのだが……。
続きは来週公開します。
文/井上佐保子 写真/PIXTA