どんなに頑張って出世していっても、産休育休を取ったら「第一線から外される」なんていう会社では、女性は生きにくい。ぜひ「上司ではなく、マーケットを見て」市場価値を高める意識を持っていただきたいと思います。

「いつでも転職できる」というのは、ライフイベントの多い女性にとって大きな強みになる (C)PIXTA
「いつでも転職できる」というのは、ライフイベントの多い女性にとって大きな強みになる (C)PIXTA

伸びるマーケット、伸びる会社を見極める

 「マーケットを見て働く」といっても、マーケットの何を見ればいいのでしょうか? 大切なのは「伸びているマーケットを見つける」ということです。

 市場価値は「伸びているマーケット、伸びている会社」に身を置くだけで高まります。逆に衰退している事業での経験は、ニーズが減っていきますから残念ながら価値が下がっていきます。

 では、どうやって伸びるマーケット、伸びる会社が見つかるのでしょうか。これは厳密には、非常に難しい質問です。というのも、そもそも伸びるマーケット、伸びる会社が正確に分かるのなら、転職ではなく投資で大もうけできてしまうわけですから。

 とはいえ、ぜひアンテナを張っていただきたいポイントが二つほどあります。

<伸びるマーケット、伸びる会社の見分け方>

(1)業績を見る

 「業績を見るなんて難しそう」と思われるかもしれませんが、数字は一番確かな指標です。伸びているかどうかを見極めるには、そのマーケット、会社が年に30%以上成長しているかどうか、というのが一つの目安です。成長がまだまだ続くかどうかは分かりませんが、こうした成長段階にあるマーケット、会社での経験は市場価値を高めることにつながります。

 社内でも、前年比30%で成長している新規事業はありませんか? もしあれば、その事業は成長段階にある可能性が高いので、そこで活躍できるほうが、自分自身が成長できます。会社の経営陣の顔ぶれを見ても、急成長した新規事業の部長が入っていたりしませんか? 会社の主要事業というのも少しずつ変わっていくものなので、転職するしないにかかわらず、どの事業が伸びているのかは、自分の市場価値を高める上で意識しておきたいポイントです。

(2)エージェントに聞く

 転職エージェントというのは、「人材」のプロです。であれば、伸びている会社を「人」の観点で見分けられるプロであるはず。転職エージェントに「最近、すごく優秀な人が入っているなと思う会社はどこですか?」と聞いてみてください。本物のプロエージェントならば、優秀な人が今、どのマーケットに、どの会社に流れているかを知っているはずです。

 この質問は、実は、いい転職エージェントを選ぶ際の質問としても使えます。この質問に対してスラスラと論理的に答えられないエージェントは、もしかしたら、きちんとマーケットを見ることもなく、単に右から左へ人を紹介して売り上げを伸ばそうとしているだけのエージェントかもしれません。

自分が活躍できそうな会社を見極める

 伸びるマーケット、そして伸びる会社が見えてきたとしても、実際に自分自身の転職先として考える場合は、自分のスキルが生かせる仕事なのか、自分はその会社で活躍できそうなのかを見極める必要があります。

 自分のスキルを生かしながら「市場価値を高める」キャリア設計をしていくために重要な考え方が、軸足を少しずつ新しい分野へとずらしていく

「ピボット型キャリア」

 という考え方です。