「ステップアップして、もっとやりがいのある仕事をしたい」「将来を考えて子育てと両立しやすい会社に転職したい」「このままじゃいけないと思うから転職したいけど、給料が下がるのは嫌……」。今の仕事に対してモヤモヤしているけど、一歩が踏み出せない。隣で一歩踏み出した人がまぶしく映る。そんな悩めるアラサー読者たちのために、10万部超えのベストセラー「転職の思考法」著者の北野唯我さんが「アラサー女性に向けた転職の思考法」を特別指導。転職への迷いや焦りをスッキリ解決していきましょう。

「いつでも転職できる自分」になりたい

 アラサー女性からの相談で多いのは「今の仕事には不満だらけだけれど、いつ産休育休に入るか分からないので、今転職するのは不安。こんな私はこのままここで働き続けるしかないでしょうか」といったものです。結婚、妊娠、出産など大きなライフイベントによってキャリアが中断するかもしれない、その後の転職が難しくなるかもしれない、と不安になる気持ちは理解できます。だからといって、不満だらけの今の仕事を辞める選択肢を持てないというのも不幸な話です。

 私は決してすべての人に転職をおすすめしているわけではありません。ただ、転職をするしないに関係なく、すべての人に「いつでも転職できる自分」でいてほしいと思っています。「いつでも転職できる自分」でいられれば、そもそも仕事が嫌になったらいつでも辞めればいいわけで、「転職が不安」、「このままここで働き続けるしかないのか」などと悩む必要がなくなります。

 書籍「転職の思考法」(ダイヤモンド社)は、この「いつでも転職できる自分」を手に入れるためのさまざまな考え方、思考方法について書いたものです。

 そのために必要な最も基本的かつ重要な考え方が、

一生食べていけるかどうかは、「上司を見て働くか、マーケットを見て働くか」で決まる

というものです。

女性こそ、上司ではなくマーケットを見るべき理由

 自分の会社の上司だけを見て、言われたことをこなすことが仕事だと思っていると、会社が潰れたら居場所がなくなり、生きていけなくなります。そうではなく、自分の会社、仕事は広いマーケットのどこに位置しているのか、どうすればマーケット内で自分の価値を高めることができるのか、という視点を持ち、常に市場価値を高める意識を持って働いていれば、どこでも生きていくことができます。

 私はライフイベントによってキャリアが中断されがちな女性こそ、この「マーケットを見て働く」ということが重要なのではないかと思っています。