「とにかく営業職以外の事務職や企画職に転職したい」という営業職のアラサー女子から声を多く聞く。転職エージェントに訪れるアラサー女性の中も「営業職は大変。長く続けられそうにないから」と、営業職から事務職など別の職種への転職を希望する人は多いという。実際、営業職から他の職種への転職は可能なのだろうか。大手転職エージェント各社で多くの転職者の支援を行ってきた方々から、営業職女性の転職についてアドバイスをいただいた。

営業疲れの正体は…?

 「営業職から事務職への転職は不可能ではありませんが、事務職の求人は少ないため、なかなか厳しいのが現実です。営業職だけど事務作業もすべてやっていた、という人ならば営業事務へという道もありますが、細かい事務作業が苦手だったり、事務職に適性がない人も多く、事務職に転職して、どうもうまくいかず、再び営業職に転職した人もいました」

 そう話すのはエン エージェントのコンサルタント磯村舞さんだ。

 磯村さんによると、「事務職希望」という営業職の女性たちは、単に“営業疲れ”している方がほとんどなのではないか、という。

“単なる営業疲れ”ってどういうこと? (C)PIXTA
“単なる営業疲れ”ってどういうこと? (C)PIXTA

疲れている理由は 数字?残業?雰囲気?

 「実際、『営業はもう嫌』という女性に面談でじっくり話を聞いてみると、常に売上、ノルマなどの数字に縛られているプレッシャーからくる『数字疲れ』、毎日のように営業資料の作成などで残業が続く『残業疲れ』、男性社員が多く、勢いはあるが女性が長く働けそうにない職場の雰囲気に疲れる『雰囲気疲れ』…など、疲れの原因は様々ですが、精神的肉体的に疲れてしまっている人が多いのです」

 仕事に疲れ切っている営業女子でも、「どんな仕事をしたいか」と尋ねられると、「人と接する仕事が好き」「成果が目に見える仕事に就きたい」など、ほぼ営業向きの人が多いのだそうだ。そのため、事務職への転職を希望していた営業職女性のうち、面談を重ねた後に、事務職へ応募する人はわずか5%なのだという。

 では実際、営業職女性は、事務職以外のどんな仕事に転職しているのだろうか。